キミのおこした奇跡


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夏合宿、始まる


真夏のアクシデント


「でね!先生が芳賀これならもう大丈夫だろう。帰っていいぞ!って」
「それで午前で終わったわけか」
「そう!私スゴい!!」
「バーロォ!俺の指導が良かったんだろ!?」


2泊3日の勉強合宿。
3日目も夕方までフルに勉強する予定だったけど、補習者のわりに成績が良かったため午前で終わっていいって言われた。
ああ、私実はスゴい!
って感動していたら、部活帰りのにゃんこと遭遇。
見事ダメだしされた…。


「ちょっとくらい私の頑張りを労ってくれても罰当たらないよ?」
「その頑張りを手伝ってやった俺を労わねーと罰当たるぞ」


ああ…。
毎日ご飯一緒に食べたり、勉強してたせいで久しぶりな気もしたけど。
まぁ実際は合宿中にも会ったけどさ。
それでも久しぶりな気がしたけど、話てみたらにゃんこはにゃんこだった…。
なんかこう、もっとないの?


「ま、勉強合宿終わって良かったな」
「それはほんとに」


ないだろうなぁ、にゃんこだし。
リベンジ・ザ・レモンパイやっぱり止めようかな…。


「今日は?」
「え?」
「メシ。来るか?俺んち」
「え!?工藤くん作ってくれるの!?」
「なんで俺が作んねぇと」
「なんか悪いね!ありがとう!いや〜、頭使い過ぎてお腹ぺっこぺこだったんだ!助かるわ!」
「…しかも昼飯から居座る気かよオメー」


ああ、良かった!
例え玉ねぎのれんなにゃんこ料理でも「誰か」に作ってもらうことに意義がある!
ありがたいありがたい。


「出前にするからな」


工藤家に着いたら当たり前のように出前案を出された。


「え?作んないの?」
「俺も疲れて気力ねぇし材料もねぇし」
「んー…。まぁ食べれるならなんでもいーけどさ」
「オメー適当に選んで頼んどいて」
「え?」
「俺シャワー浴びて来る」


ああ、今日も部活して野良猫だからな…。
うーん…出前、出前。
この間チラシ来てたよね。
ええっと…。
工藤くん部活して来たしピザとかじゃない方が、あ!釜飯がある!
…夏に釜飯?
うーん、適当に選んで頼めって言ってたけど、にゃんこまた何か言いそう。
もうお風呂入ってるよね。
ドア越しに聞いてみるか!


ガチャ


「…」
「…」
「…」
「…きっ、きゃああああああああ!!!」
「なんで見たオメーが叫ぶんだよっ!!」
「は、早くしまってっ!その粗末なものをっ!!」
「…テメー人の風呂覗きに来た分際でいい度胸じゃねーか」
「早くっ!しまってっ!!」
「もうタオル巻いてんだろーがっ!!」
「信じられない!女の子にあんな粗末な」
「粗末粗末言ってんじゃねーよっ!!ここに何しに来たっ!?覗きかっ!?」
「ち、違うよ!あんな粗末なもの見たくもないっ!!」
「だから粗末って言うんじゃねーよっ!!」
「あんなの見たらもうお嫁に行けないっ!」
「だからなんで見られた俺じゃなくて見たオメーが被害者になってんだよっ!!」
「無理。私食欲なくなったから帰る」
「勝手にしろっ!」


あり得ない!
脱衣所の扉開けたらうっかり中に裸の人がいたなんてマンガにありがちだけどっ!
ここはマンガの世界だけどっ!!
あんなもの見るハメになるなんてっ!!
小さい時にお父さんの見た以外で見たことなんてなかったのにっ!!!


「あれー?あおい?」
「あ!ほんとだ!どうしたのー?」
「…蘭、園子…」
「え?何?何かあった?」
「あー、わかった!勉強合宿でやられたんでしょ!」
「そんなんじゃないよっ!」
「何なに?この園子様が話聞いてあげるから!」
「…話す元気もない」
「何?ほんとに何かあったの?」
「…工藤くんに」
「うん?新一に何?」
「…裸見せられた」
「「…はあああああ!!??」」


蘭と園子が何かをぎゃーぎゃー言ってたけど、今の私にはさっきの衝撃が強すぎてそのまま無言で帰宅してベットに倒れこんだ。
私は間違ったことは言ってない。
でも翌日、マンションに乗り込んで来た工藤くんにこってり怒られたのは言うまでもない。

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bkm

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