みんなで

今日は入学試験のため全面休校


もしマネージャーなんてしていなかったら家で読書をしていただろう


けど今日はテニス部1年のみんなでお出かけ



昨日会った後輩になるかもしれない男の子について丸井くんと話していた


「へぇそんなヤツいんだなぁ」

『すごく自信満々な子だったよ』


幸村くんとその子の試合を見るのが楽しみだ

けど合格しない限りは実現しなさそうだけど...



『名前聞いておけばよかったなぁ』

「きっと向こうもそう思ってるって」





ちなみに今向かっているのは八景島シーパラダイス

水族館もあってアトラクションもあって神奈川では結構人気のスポット

平日ということでそこまで人気はない


「混んでなくてよかったね」

「入場者数はざっと4千人程度だろう」

相変わらず柳くんの分析力はすごいな
立海の参謀、マスターだなんて言われている


「桜宮さんはどこに行きたい?」

『うーん...』

行きたいところ

みんなでゆっくり周れるところならどこでもいいよ、と言おうとした時_______





「ジェットコースターだろい!」

「お前に聞いてねえよ」

「いちいち言うなよ、ジャッカルのくせに」


ジェットコースター、苦手なんだよ私

「桜宮も好きだろい?ジェットコースター!」



眩しいくらいの笑顔を向けてくる丸井くんに実は苦手なんだよねなんて言えるはずもなく

『う、うん!行こう、ジェットコースター...!』


きっと幸村くんにはお見通しなんだろうけど









あまり人がいないので待ち時間もほぼなく、ついに乗り場まで来てしまった


サーフコースター、リヴァイアサン


このジェットコースターはコースの大半が海に飛び出していてそれはもう高所恐怖症の人間からしたら地獄への入り口同等



柳くん曰く、前方車両の方が落下時間は僅かだけど短くなる、そしてスピードが最後部よりもゆっくりらしい


と言うことで迷わず前方へ


すると真っ青な顔をした柳生くんと真田くんが1番前の席へ即座に座った

彼らもジェットコースターが苦手なのかな?


私もなるべく後ろを避けるようにして2列目に座る


「おいおい、背の高い真田と柳生が前に乗ったらコース見えねえじゃんかよ〜ぃ」

と言う隣の丸井くん


そしてついに安全バーが固定される


「あ、そうそう言い忘れていたが、ジェットコースターが苦手な人はなるべく真ん中の席に座るといいそうだ」

柳くんのその言葉にさらに顔を青くする前の2人



「そういう大切なことは早く行って欲しいものです...」

「柳、貴様...」


この世を儚んだ柳生くんに対して真田くんは黒色のオーラを纏っている...

やっぱり真田くんは怒らせると怖い



今更後悔したところで先程安全バーが固定されたので座席の移動は不可能



『コース見えないほうが丸井くんにとってはスリルあるかもしれないね』

「あ、その捉え方もあるんだな!」



そうこう話しているといよいよ出発


どうか耐えられますように...



























無事に乗り終わって安全バーが上がる


乗車中は怖くて叫ぶ暇すらもなかった

叫びたかったんだけど怖すぎて声が出ないなんてはじめての経験をした




ちなみに前のお二人は降りるなり仲良くトイレへ駆け込んだ


本当に苦手なんだな...




「最高に楽しかったぜぃ!」


とても大満足な丸井くん

怖かったけど丸井くんが隣にいてくれたから何とか頑張れた



しばらくしてあの2人が帰ってきた


「2人とも大丈夫?」
と言いながらも少し面白がっている幸村くん


「これほどの乗り物など造作もない...!」

「そういう割には叫んでたがのぅ、真田」



そういえば仁王くん結構冷静に楽しんでたよな

彼に苦手な物なんてあるのだろうか




[ 31/38 ]

[*prev] [next#]

[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -