ネタ

再会

――優が、いた。
人間の中に、優がいた。


『ゆ…う…』

「優ちゃ…」


「風香…?ミ、カ…?」


再会はしたが、すぐに離れることになった。
ミカと約束した。次に優に会うことがあれば、何が何でも連れていこうって。醜い人間共から優を救おうって。
そしてその約束は、クルルの言葉ですぐに叶うことになった。




一ヶ月後、人間と吸血鬼の戦争が始まった。




『優を…っ 返せぇぇぇぇぇ!!!!』




優が悲しむから、決して殺しはしない。
まあ、それは多分、だけれど。




『なんで殺さないか?それはね、優が悲しむからだよ』

『優は優しい子だから。人間なんかを信じちゃうような、優しい子だから』

『お前らなんかに、優は渡さない』


『人間如きが吸血鬼に勝てると思うな』









「苦しいんでしょう…?なぜ、私達を殺して血を飲まないんです」

『黙れ…っ 人間』


「君は、殺さないよ。情報を吐いてもらわなきゃ」

『吐く情報なんて持ってない。アンタらに言うことだって何一つない』

「言わないなら殺す」

『ご自由に。その前にお仲間がどうなるかは知らないけど』


「生きたいんでしょう!優さんに会いたいんでしょう!!」

『黙れ!黙れ人間!!これ以上あたしに近づくな…!』

「貴女はもう一度、優さんとミカさんと一緒にいたいんじゃないんですか!!」

『近づくなって言ってんでしょ!これ以上近づいたら…あたし、あなたを殺しちゃう…っ』


『苦しいよ…すごく、苦しい』

『だけど、優に会うまでは。もう一度優に会うまでは、化け物になりたくない…っ』

『優に、嫌われたくない…!』