▼ せいぜい一緒に過ごす期間なんて二十年くらいなんだから娘さんはお父さんを大切にしてあげて
えいりあんを三人でなぎ倒していく。緑の液体とか気持ち悪!!
『……ん?』
なんか上がうるさいな。そう思って空を見上げる。
『……………』
な…なんてことだ。
『とっつァん…』
うるさいのは幕府の軍艦だった。乗っているのは幕府直轄の警察庁長官のとっつァんで。
破壊神 松平片栗虎。
それは知る人ぞ知るやくざみたいなオッサンだ。あの人が通った後はチリも残らない。このままじゃターミナルごと消してしまうだろう。
えいりあんに殺されて死ぬか、とっつァんに消されるか。二つに一つ。さあどうする?
…って、どっちもバットエンドじゃねーかァァァ!!
第三十訓
せいぜい一緒に過ごす期間なんて二十年くらいなんだから娘さんはお父さんを大切にしてあげて
「おーおー 今頃うるせーのがプンプンたかってきたよ。もうほとんどカタついてんじゃねーのか。…にしてもてめーら地球人にしちゃあやるな」
『アンタに言われても嬉しくないんだけど』
「片腕でよくここまで暴れられたもんだぜ」
『そーそー』
「てめーらも片腕じゃねーか」
銀時とあたしの左腕からは血がボタボタと滴り落ちる。
「悪いこたァ言わねー、帰れ。死ぬぞ」
「帰りてーけどどっから帰りゃいいんだ?非常口も見あたらねーよ」
互いに背を合わせる。
「…てめーのハラが読めねー。神楽を突き放しておきながらなんでここにいる。なんでここまでやる?」
「俺がききてーくらいだよ。なんでこんな所に来ちまったかな、俺ァ」
「お前…」
「安心しなァ。あんなうるせーガキ連れ戻そうなんてハラはねー。勿論死ぬつもりもねェ。……だが、あいつを死なせるつもりもねーよ」
「クク …面白ェ。面白ェよお前。神楽が気に入るのもわかった気がする。だが腕一本で何ができるよ?」
「アンタも一本だろ」
「いやいや」
「「合わせりゃ二本だ」」
襲いかかるえいりあん。二人は躊躇なく突っ込んでいく…ってちょっと待てェェい!!
『星海坊主ぅぅ!!てめぇコノヤロッ 銀時の右腕の座は渡さねェからなァァ!!』
「いるかァァァ!!」
だったらあたしも数に入れろよ!いや確かに腕が三本あったら気持ち悪いけれども!!
「胸クソワリーが神楽助けるまでは協力してやるよ!」
『ありがたく思いな、お父さん!!』
「そーかィ。そいつァ ありがとよォ!!」
攻撃を仕掛ける。のとほぼ同時に船の底が抜けた。
「核だ。寄生型えいりあんの中枢…こんなデケーのは初めて見るが、ターミナルのエネルギーを過度に吸収して肥大化し船底を破っちまったようだ」
『要はアレを潰せばいいんでしょ?』
けれどそこには神楽がいて。核に降りた瞬間、神楽が呑まれた。
『呑まれ…!?どういうこと!?』
ヤバイ、と言う星海坊主の顔には焦りが見える。
「野郎ォ…神楽をとりこみやがった。このままじゃこいつをしとめることはできねー」
『どーいう…』
「こいつを殺れば、神楽も死ぬ」
うそ…でしょ…。
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