銀色ジャスティス | ナノ


▼ ああ やっぱり我が家が一番だわ

志村家にて。庭にはあたしとお妙の下着が干してある。


「いいかー、相手はパンツの質より娘の質を求めてる真性の変態だ。だからまた必ずここに忍びこんでくる。そこを叩く」

『フンドシ仮面だかなんだか知らないけど、乙女の純情と漢の誇りをふみにじったその所業許し難し。白ブリーフを鮮血に染めあげてやるぞ!』

「「「オオォォ!!」」」


お妙、神楽、近藤さんは返事をする。


「スイマセーン、下着泥棒ぐらいでちょっと殺気立ち過ぎじゃないですか」

『細かいことは気にすんな。それよりコレ手伝って』

「何ですかコレ?」

『地雷だけど』


お妙は薙刀を振り回し、神楽は瓦割りをし、あたしと近藤さんは地雷を埋めていた。


『これを庭一面にしきつめればこんなボロ屋敷も立派な要塞になるよ』

「ボロ屋敷のままでいいわ!!アンタら戦争でもするつもりですかァ!」


そのつもりだけどなにか。


「新ちゃん、ここはもう戦場なのよ。遊び気分なら帰りなさい」

「姉上、ここが僕の帰る所なんですけど」

「戦場が帰る所とはよく言ったわ。それでこそ侍よ」

「いや…そーゆー意味じゃなくて」





夜。あたし達は木陰に隠れていた。
また蚊に食われたんだけど。死ねよ蚊、死ねよフンドシ仮面。つーか全然来る様子ないんだけど。来るなら早く来いよ。


「コレひょっとして今日来ないんじゃないんですか?」

「大丈夫だよ、来るって」

「いやだから何を根拠に今日来るって言ってるんですか?」

『あんなこれ見よがしに下着ぶらさがってんだから下着泥棒がほっとくワケないでしょ』

「いやあからさますぎるよ!なんか罠まる出しだし」

「新ちゃん、泥棒というのは目的までの障害が困難である程燃えるものなのよ」

「何勝手にキャラ設定してんの?気の小さい泥棒だったらどーするんスか」

「オイ デケー声出すんじゃねーよ。泥棒にバレたら全部パーだぞ」


暑いからイライラしているのか、銀時と新八は口喧嘩を始めた。近藤さんはなんか冷たいものでも買ってこようと提案。


「あずきアイス!」

「なんかパフェ的なもの」

「ハーゲンダッツ」

『酒と甘いもの』

「僕お茶」


みんな欲しいものを言っていく。
買ってくるからと歩き出した近藤さん。数秒後、近藤さんが歩いた方面が爆発した。


『……あ、近藤さんが爆発した』

「あー 暑かったからアルヨ」

「んなわけねーだろ。自分でしかけた地雷ふんだんだよ、バカだね〜」


・ ・ ・ 。


「アレ?ちょっと待って、ひょっとして地雷どこにしかけたか覚えてないの?」


五人で顔をあわせる。


「大変だわ、明日新聞配達のオジさんが爆発するわ」

「言ってる場合ですかァァ!!僕らこっから身動きとれなくなっちゃったんですよ!もう泥棒とか言ってる場合じゃねーよ!!」

『……てことはさ、今ここに何も知らない土方さん連れてきたら…よし、電話しよ』

「アンタ土方さんに何しようとしてんの!?」

『電話電話でん………やっぱやめよ』


あの人何気生命力強いし生きてたら説教だけじゃすまされないと思うから。考えただけでも恐ろしい。
その時、笑い声がきこえてきた。


「パンツのゴムに導かれ、今宵も駆けよう漢・浪漫道!怪盗フンドシ仮面 見参!!」

『何で今このタイミングで出てくるの意味わかんないんだけどホントこーゆー人ダメだよね少しは考えろよ察しろよこっちがごたついてることぐらいそんなこともわかんないのバカじゃないの』

「お嬢さんどこで息つぎしてんの?辛くない?大丈夫?」

『は?アンタ如きに心配される程落ちぶれてないし平気だし』


そうか、と安堵のため息をついてフンドシ仮面は仕切り直すように笑いだした。


「アッハッハッ なんだか俺のために色々用意してくれていたよーだが無駄に終わったよーだな!こんな子供だましに俺がひっかかるとでも?天下の義賊 フンドシ仮面も見くびられたものよ」

『これでひっかかったら無様だよな。そん時ゃ大爆笑してやるよ』

「フン ひっかからないから安心しろ。そこで指をくわえて見ているがいい、己のパンツが変態の手にわたるその瞬間を!!」


フンドシ仮面は下着が干してある縁側に降りた。さそして爆発した。そう、床下にも地雷をセットしたのだ。


『ひっかかってやんのひっかかってやんの。ププーッ』


だがそいつは図太かった。爆風で飛ばされたあたしとお妙の下着をつかんだのだ。


「フフフフ 甘いよ。こんなものじゃ俺は倒れない。全国の変態達が俺の帰りを待ってるんだ。こんな所で負けるワケにはいかない。最後に笑うのは俺よ!!」


歩き出したフンドシ仮面の足をつかむのは近藤さんだ。


「汚ねェ手で風香ちゃんとお妙さんのパンツ触るんじゃねェ!!俺だって触ったことねーんだぞチクショー!!」

『当たり前だ』

「銀時ィィ 何やってんだ早くしろォ!!今回はお前にゆずってやる」

「うるせーな。言われなくてもいってやるさ。しっかりつかんどけよ」


銀時は木刀を抜き駆け出した。そして………地雷を踏み爆発した。


「フ…フハハハハ やっぱり最後に笑うのは俺…、!!」

『「女を、なめるんじゃねェェェェ!!」』


銀時を足場にし、あたしとお妙は刀と薙刀を向ける。悲鳴が響き渡り、奴を気絶させた。
宙から降りてきた下着をつかむ。


「素顔もさらせない人に私達のパンツはやれないわ」

『ほしけりゃすっ裸で正面から挑んできな。心までノーパンになってね』


よし、これで一件落着か。


「アッハッハッハッ 姉上ェェェ、風香さんんん!!」

「やっぱり姉御と風香が一番アル!」


新八と神楽が走ってくる。あたし達の前に来た瞬間ピッと音がして……爆発した。







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