銀色ジャスティス | ナノ


▼ 襟足の長さと子供の憎たらしさは比例する

「雑誌は古紙の日の水曜に出せって言ってんだろーが!てめー いつになったらゴミの分別できるようになんだ?何でも燃えるゴミの日に出しやがって…」


腰を蹴られた銀時はゆっくりと立ち上がる。


「燃えないゴミが嫌いなんだよ!何だよ燃えないって。ホントは燃えるのに出し惜しみしてるみてーじゃねーか。奴らホントは燃えられるんだぜ。ダリーからサボってるだけなんだよ!!」

「考えすぎなんだよテメーは!!とにかくそれ持って帰りな。最近ゴミ捨て場で放火が多発してて規制も厳しくなってんだから…」


そう言うと、お登勢さんはくわえていたタバコをプッと吐き出した。
…………そーいえば放火がなんちゃらって土方さんが言ってたよーな言ってなかったよーな…。


「で?真選組のアンタがなんでかぶき町にいるんだい?まさかアンタも銀時と同じ考えをしてたんじゃないだろうね」

『そっ そんなワケないじゃないですか!バカみたいな銀時なことはしてません!!』

「風香、焦りすぎて語順おかしくなってる。それじゃ俺の頭がヤバいみてーじゃねーか」


慌てて弁解する。なんたってお登勢さんの目が恐いからね!警察だろてめー、みたいな目で見てるからね!
そんなやり取りをしながら、お登勢さんは店に戻っていった。


『しょーがない、銀時コレあげるよ』

「いらねーよ!!」


はい、と書類という名の始末書を渡せば、ぺシーンと思いきり頭叩かれた。クソ、めちゃくちゃ痛え。
そんな話をしている時だった、後ろからパチパチと音が聞こえたのは。


『ん?』

「アレ?ちょっとォ!?ウソォォ!?ここもボヤ騒ぎ?」


なんと後ろが燃えていたのだ。ってええ!?


「あのババア、タバコポイ捨てしていきやがったな!やへーぞコレ!!水、水!!あるかんなもん!!」


銀時が「ピカーン!!」とか言い出した。そしたら急に後ろ向いてろと言われた。なんで、と問うても銀時はいいからいいから、としか言わなかった。あたしがよくないんですけど。


「出るかな?いや大丈夫だ、自分を信じろ」


カチャカチャと音がする。ホント何やってんの。
その時。



ブバァァァ



銀時に消火器がかけられた。


「とうとう尻尾つかんだぜ、連続放火魔さんよ〜。このめ組≠フ辰巳に見つかったからには、てめーら生きては帰さ…」


辰巳と名乗った女の子は、銀時を見てフリーズする。あたしも気になって見た。……いや、見てしまった。


「あの〜、あんまりジロジロ見ないでくれない?」

『「うぉわぁぁぁぁ!!」』


あたしは刀を、辰巳さんは消火器をふり上げた。

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