銀色ジャスティス | ナノ


▼ 酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ

土方さんだ。


「オイ風香、テメェこんな所で何してやがる。何で万事屋といるんだ、ああ?」

『成り行き』

「ふざけんな」

『いやふざけてませんけど!?』


何であたしが悪いみたいになってんの?


「オウオウ、ムサい連中がぞろぞろと。何の用ですか?キノコ狩りですか?」

「そこをどけ。そこは毎年真選組が花見をする際に使う特別席だ」


え、そうだったの?初耳だわ。つーかだったらさっきキレられた意味なくない?


「どーゆー言いがかりだ?こんなもんどこでも同じだろーが。チンピラ警察24時かてめーら!」

「同じじゃねぇ。そこから見える桜は格別なんだよ。なァ、みんな?」


土方さんは隊士逹に話を振るが、


「別に俺達ゃ酒飲めりゃどこでもいいッスわ〜」

「アスファルトの上だろーとどこだろーと構いませんぜ。酒のためならアスファルトに咲く花のようになれますぜ!」


見事に撃沈。


「…………風香」

『あたしも総悟逹に同じー。つーか早く酒飲みたいんだけど』

「うるせェェ!!ホントは俺もどーでもいーんだが、コイツのために場所変更しなきゃならねーのが気にくわねー!!」


ガキか。


「大体、風香と一緒に山崎場所とりいかせたはずだろ…どこいった、アイツ?」

『ミントンやってるよ、ミントン』


土方さんはラケットを振り回すザキを見つけると「山崎ィィィ!!」と言い殴り始めた。


『わー、ザキかわいそー』

「助けねーの?」

『さっきあたしを見捨てたバツだし』


結構根にもつタイプなんです、あたし。


「まァ、とにかくそーゆうことなんだ。こちらも毎年恒例の行事なんでおいそれと変更できん。お妙さんだけ残して去ってもらおーか」

「いやお妙さんごと去ってもらおーか」

「いやお妙さんはダメだってば」


つーか真選組あたしたちが場所変更すればいい話だろーが。面倒事は嫌いなんだ。


「何勝手ぬかしてんだ。幕臣だかなんだかしらねーがなァ、俺たちをどかしてーならブルドーザーと風香でも持ってこいよ」

「ハーゲンダッツ1ダースと風香さん持ってこいよ」

「フライドチキンの皮と風香持ってこいよ」

『鬼嫁と甘いもん持ってこいよ』

「フシュー」

「案外お前ら簡単に動くな。つーか賭けられてる本人が賭けに参加してるんですけど」


銀時逹の隣で真選組を威嚇していたらあっけなく土方さんに連れ戻された。うえ、男臭いむさい。


「面白ェ、幕府に逆らうか?今年は桜じゃなく血の舞う花見になりそーだな…」


どんな花見だ。


「てめーとは毎回こうなる運命のよーだ。こないだの借りは返させてもらうぜ!」

「待ちなせェ!!」


土方さんが刀に手をかけた時、総悟が止めた。


「堅気の皆さんがまったりこいてる場でチャンバラたァいただけねーや。ここは一つ花見らしく決着つけましょーや」


お、総悟にしては中々いいこと言うじゃん。




「第一回陣地(&風香)争奪…叩いてかぶってジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」




『「「花見関係ねーじゃん!!」」』


全員の心が一致した瞬間だった。


『つーか()ってなんだコラァァァ!!』

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