化学変化
「幼馴染み……!?」
「風香の…!?」
『……離せクソ川。一助けてー!』
「お前はアップとってこいグズ川!!」
「いた!ボール投げることないでしょ!」
ブツブツ文句を言いながらも徹はアップをとりに行った。一ありがとうさすがおかん。
「……風香」
『っ!! わかりました後でちゃんと説明しますからその顔と声やめてください大地さん!』
ドスの効いた声で名前を呼ばれては従うしかないでしょ。言っとっけどめっさ恐いから!マジだから!
なんて思っていたら烏野がマッチポイントに入っていて。でもそんな時に現れたのが徹で。
「いくら攻撃力が高くてもさ…その攻撃≠ワで繋げなきゃ意味無いんだよ?」
そう言って徹は月島を指差した。マズイ…これは非常にマズイ…!
『つきし…!』
言い終わる前に徹はサーブを宣言通りに月島のところへ打った。それはとても強い威力で、見てるこっちの腕が痛くなるような音を出していた。
月島と日向がレシーブ苦手なのをすぐに見抜いた。相変わらずの洞察力だなチクショウ。
もう一度月島を狙い、また青城の得点。
次のサーブでは大地さんが守備範囲を広げたが、それでも徹は端っこにいる月島を狙った。コントロール重視の分威力はさっきより弱いけれど、青城のチャンスボールになってしまった。
金田一の打ったスパイクは日向に止められ、今度はこっちのチャンスボールになった。そして次の瞬間には、徹の真横にスパイクが決まっていた。
試合終了
セットカウント2-1
勝者 烏野高校