幼馴染みということがバレる
火曜 放課後。
練習試合の日がやってきた。
日向は緊張のしすぎで寝れなかったらしい。田中な向かって吐いてしまったのだ。まあ幸いにも被害はジャージの下だけだったのでよかった。
『田中それ貸して。洗ってくるから』
「おー。悪いな、風香」
『これもマネージャーのうちだよ』
そう言ってジャージを受け取ったのが10分くらい前。
洗い終わったので体育館に向かおうとした……のだが。
『(道…わかんねぇ…っ!)』
どーしよ!一に連絡しようにも携帯置いてきちゃったし!
なんて焦っていたら前から人が歩いてきた。あのらっきょうみたいなシルエット…間違いない、アイツだ!
『金田一!』
「風香さん!?え、なんで!?」
『え?いや道に迷っちゃって』
「烏野!?」
『え、今さら?』
ワタワタと慌てる金田一。知らなかったの?え、うそマジで?
『及川とか一とかから聞いてない?』
「聞いてないっス。青城に風香さんがいないのおかしいなって思ってましたけど…」
『ごめんごめん!伝えれば良かったね』
てっきり二人のうちどっちかが伝えてるかと思ってた。
そんなたわいない話をしていたらいつの間にか体育館に着いていた。
「ここです、体育館」
『ん。ありがとね、金田一』
「いえ」