コンビ誕生。



「お前の1番のスピード、1番のジャンプでとべ。ボールは俺が持って行く!」

「持って行く≠チて何?どういうこと?」

「…お前はただブロックの居ないとこにMAXの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイングだ。俺のトスは見なくていい。ボールには合わせなくていい」

「ハァ!?ボール見なきゃ空振るじゃん!!」

「かもな!!」

「うぉい!?」


それでもやってみたいと言う飛雄に日向はわかったと頷く。
…でも何をするつもり?少なくともあのトスじゃ今の日向が合わせるのは無理だよ?

そんなことを考えていたら。
いつの間にか速攻が決まっていた。


「手に、当たったあああ!!!」


「手に当たった=H大げさだな…」


手に当たったことを喜ぶ日向をなんでそんなことで喜ぶのかと言いたげな目で見る月島。

ふらふらと歩く大地さん。


「………おい…今…日向…目え瞑ってたぞ…」



『「「「はァ!?」」」』



ジャンプする瞬間からスイングするまでの間日向は目を瞑ってたと大地さんは言う。

つまり…飛雄がボールを全く見てない日向の掌ピンポイントにトスを上げたってこと?
スイングの瞬間に合わせて…寸分の狂いも無く…!?


「すげえすげえ〜っ!!なあ何!?今の何!?当たったんだけど!!手に!!今!!おれの!!なあ!!」

「ぅオイお前ええ!!目え瞑ったって何だ!!」

「お前がボール見るな≠チて言ったんだろ!?目え開けてるとどうしてもボールに目が行くから…」

「確かに言ったけどっ」

「でも今ので成功だろ!?何が悪い!!」

「それはそうだけどっ!100%信じるなんてできるか普通!?」


「だって今、信じるそれ以外の方法わかんねえもん!!」


他人を100%信じるなんてそうできることじゃないのに。それができる日向はすごいと思う。


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