コンビ誕生。
――試合終了。
勝者:日向・影山チーム
疲れきっている一年生にはしゃべる余裕すらないようだったので、側にドリンクを置いといた。
『お疲れ様です。はいドリンク』
「おう。サンキュ」
「だ…大地さんもスガさんも…
日向と影山にあんな攻撃使えるって見抜いてあんな事言ったんスか!?」
「「えっ!?」」
「連係攻撃が使えたら、烏野は爆発的に進化する」
「なんかうまいこと使ってやれんじゃないの!?」「そっ そんなワケあるかっ!俺は『もっと日向が打ち易いトス上げたれよ』って意味で言ったんだよっ」
「俺は影山の多少無茶なトスにも日向なら合わせられるようになるかなって思ってた。…でも良い意味で裏切られたな〜」
「日向がトスに合わせるんじゃなく、トスを完璧に日向に合わせる…日向がどこに跳んだとしても。
セッターがスパイカーに気持ち良く打たせるっていうのはすっごく当然のことなんだけど、その打たせる$ク度がとんでもなく高い」
『日向がまだへたくそで打てなかったからこそ、飛雄の真骨頂を発揮させたってことですよね』
「そーそー」
未熟でも天性のスピードやバネを持ってる日向。
その能力を高い技術で完璧に生かす飛雄。
互いが互いの
能力を最大限に引き出す。
これは…予想以上に凄いコンビができちゃったかも。
「「キャプテン!!」」
さっきまで一年生同士でふざけていたようだが、それも終わったようで日向と飛雄は大地さんに声をかけた。
すっと差し出すのは初日に返された入部届け。…くしゃくしゃなのは気にしちゃいけないよね。
大地さんにアレを取ってきてと頼まれたので持ってきた。
ダンボールの中に入っていたのはバレー部のジャージだ。
『多分サイズ大丈夫だと思うけど…何があったら言ってね』
「「あザース!!!」」
袋のまま鞄にしまおうとした月島を止めるのはスガさんと田中だった。
しぶしぶと着た月島。一年生は?にザッと並ぶ。
「これから、烏野バレー部としてよろしく!」
「「…おす!!!」」
ワイワイと騒いでる時だった。
「組めた!!組めたよーっ!練習試合っ!!!」
慌ただしく体育館に入ってきたのは今年からバレー部顧問になった武田先生──通称 武ちゃんだった。
「相手は県のベスト4!!青葉城西高校!!」
『せっ…青城!?』
嘘…でしょ……!?