そして、二人は正確にステージを進み――。
「ラスト!行くぞ!」
「はいっ!」
 そうして、二人はラストの一発を撃った。
 ゲームクリア。あの的確さならば当然。
「はは、クリアでよかったわ」
「何言ってんですか。私達なら、大丈夫でしょう?」
 ティアナが笑うと、周りのギャラリーからどっと歓声が上がる。夢中になっていた二人はギャラリーのことは全くで、たじろいだ。
 ……と。
「そこのお二方、お上手ですなぁ」
 ギャラリーから一人の男。男は笑いながら歩み寄ってくる。
 二人は知らない人で一瞬困ったが、ティアナは「ありがとうございます」と、また笑った。
「とくに貴女。綺麗ですし、力もある。素晴らしいですなぁ」
 その言葉と笑みに、ティアナに嫌な気が走って、一歩後ろにひいた。
 しかし、男は止めない。
「どうですかな?これから私と、」
「ざけんなジジィ」
 と。ふいにティアナにのばされかけた手を、ヴァイスが叩き飛ばした。
 そのまま、ヴァイスはティアナを抱きしめる。公共の場所で、しかも大勢の中で。
「ちょっ、ヴァイスさ、」
「ティアナに手ぇ出すな」
 抵抗しようとして、ヴァイスの声。その声は、真剣で。

「ティアナは――俺の女だ」


* * *



 接続部分のきしむ音。それ以外の音は何もない。
 二人は、小さい箱の中――観覧車に乗っていた。
 あれから二人は、ゲームセンターから逃げるように――というか逃げた。あれ以上いたらどうなることか。
 それから、無理に隠れ周り、ふと観覧車に乗ったのだ。ティアナが観覧車を見つめていた。観覧車なら大丈夫だろう、と。
 しかし、あるのは沈黙だけ。二人とも顔をいい大人のくせに真っ赤にして口を塞いでいる。
「……あー……っと」
 やっとのこと口を開いたのはヴァイスのほうだった。
「……すまん、かったな」
「…………いえ」
 またもや、沈黙。顔を合わせるのも恥ずかしく、ふせたままだった。
「俺から言いだしたのに、な。ホント、ごめん。全然遊べなかったし、それに……」
「――――で、」
「え?」
 ティアナの声に、ヴァイスが目を丸くする。
「私は……ヴァイスさんのモノです」
「――ぇ」
「だ、だからっ!私はヴァイスさんのっ、妻です!」
 一緒にいますし、好きですし、それに……ッ!
「……ティアナ」
 必死に声をあげるティアナに。
「なんかさ……言っててすんごく恥ずかしそうだけどさ」
「――〜ッ」
 見たまんま。的中して、余計に赤くなる。
「……俺は、さ。……ティアナにつく悪い虫は全部追っ払うって、決めていたから、さ。ティアナのこと、守りたいし」
 だから、俺はあいつを追っ払った。
「……ま、あれは、やりすぎたな。はは……ごめん」
 空笑いして、軽く頭を下げる。
 そんなヴァイスをみて、ティアナは、小さい声で、ぽろりと言葉を漏らした。
「別に、たしかに、恥ずかしかったですけど……――うれしかった、ですし」
「ん? 何か言ったか、ティアナ」
「なっ、なんでもないですっ」
「ん〜? 怪しいなぁ……?」
 慌てて顔を伏せるティアナに、にやりと笑い、強引に自分の手で顔を上げさせる。
「何言ったんだ」
「ほんとに、何にも、」
「――わかった。実行行使、な」
 そして、男は顔を、愛しい人の顔に近づける。
「ちょっ、ま、」
「またない。観覧車はまだつかねぇし。口は俺の口で開けてぇしっ!」
 その後、観覧車は激しく揺れたが、次にはおとなしくなった。
 その時間は、彼と彼女にとって、久しぶりの、愛しい時間になったのだろう――。


* * *



 久しぶりの休日。

 あなたと過ごす優しい時間。

 愛しさをまたくれて……ありがとう。

 ――大好き。





〜あとがき〜
 ってことで遅くなりましたがキリ番とったケイトさんからのリクエストでした!
 リクエスト内容は〜といきたいのですが、その内容がはんぱない(笑)ということで、沙雪でわかりやすく編集しました(すみませんケイトさん)。
『ヴァイティアで遊園地デートが良いかな〜〜w
(ゲームセンターで、賞品を撃ち落とす方の射撃と2人で敵を撃ちながらステージクリアを目指すタイプの方の射撃両方やらせたいしwww)
未来設定で同棲中という設定で ヴァイスがティアナを久々のデートを提案する(どちらかといったらデートに誘う?)辺りからでお願いします
デートの最後は観覧車(出来れば、ティアナが恥ずかしくて言い出せないのをヴァイスに感づいて欲しいです)でお願いします』
 実は、本文はもっと長くてもっと弾けてますw
 リクエストが細かくかかれていて、展開想像を組み立てるのがすぐできました。ありがとうございます♪
 内容は、ヴァイティアで連続したテーマ『デート』で、時間軸もちょうどよかったので、この前TKさんに贈った『ファーストクロス』と絡めてみました。題名も。題名の意味は『交わり続く』。
 二人には、ずっと一緒にいてほしいです。





(Back Text)




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