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戦いの先に見えるもの





戦っても戦っても、鍛えても鍛えても、先が見えない。

私は、戦っている意味があるの…?


「はぁ…。」


少し、溜め息をつく。

それというのも、いくら戦って勝っても誰も認めてくれないからだ。

女だから。非力だから。

そんな理由で、落とされてしまった。

…兵士ですら、なれなかった。

試験管は変わるはずなのに運悪く同じ試験管が当たってしまったからだろう。

この分だと来年もあの人だと思う。

そう思うと、また私は一つ溜め息をついた。


「…はぁ。何で…認めてくれないんだろう…。」


金に困ってる、といえばそうなのだが、それよりも私は何もすることがなかった。

ただ、ひたすらスラムで生きていきたくはないと思った。

それだけの理由では落とされるから「お金」という理由は使っているが。

簡単にいえば、居場所が欲しかった。

衣食住、全てが保障された兵士達。

他と比べれば、私の服装はボロボロだった。

それでも、ただ居場所だけを求めて。

ひたすら、銃も、剣も、槍も。

全ての得物を、扱ってマスターして、ここまで来た。

絶対に、これは認められるとそう思っていた。


だけど…努力なんて報われない。

それを思い知らされたような気がする。

…もう、諦めなければならないのかな…。


「…なぁ、アンタ。」

「…?」

「今回の試験、受けた人?」

「…はい。そうですが…貴方は…」

「俺?ザックスってーの。旦那に頼まれてきたけど…。この子か…。」

「??」


いきなり現れた、ザックスさん?という人。

…身なりからして、多分ソルジャーの人だと思う。

…むしろ、筋肉のつき方とか見るとこの人…1stかもしれない。


「あぁごめんごめん。…旦那!見つけたぜ!!」

「…ご苦労。お前はとっとと帰れ。」

「っな!?ひっでーの!折角見つけてやったのにー。」

「…後で何かおごってやる。だから帰れ。」

「ちぇっ。まぁいいや。んじゃ後は任した!」

「あぁ。」


…?旦那って…この人、セフィロスさんだよね?

あの英雄の…。セフィロスさんだよね?

ザックスさんと、仲、いいのかな。あの様子だと。


「…名前は?」

「え?あ、私はセリア・アークレイです。」

「やはりそうか。…あの試験管も何を見ているのか…下手な男よりも使えるじゃないか。」

「…?」

「お前は、今回の試験に落ちたんだな?」

「…はい。実力は私の方が上なのに、女だからっていう理由で排除されました。」


…今思うと本当にムカつく。

あの試験管、やめたほうがいいんじゃないの?なんていいたくなる。

でも…女だから、なんていわれたくないけど…。どう考えたって男の力には勝てない。

それは仕方ないけど。でも、やっぱり悔しい。


「…あの試験管は、今日限りでクビになる。」

「……そうなんですか?」

「あぁ。あいつは女をとことん落としていてな。それでは真の実力者が分からない。だから、やめさせたんだ。」

「…そうだったんですか。」


多分、やめさせたんじゃなくて殺されたんじゃないのかな。その人。

一応機密物にも触ってたんだし。

まず、生かしては帰さないんだろうなぁ。


「…お前は、どうしたい?」

「え?」

「今なら、俺の申請で合格が渡される。俺はお前の実力を見ているからな。」

「…私…」

「といっても、お前に拒否権はないがな。社長直々の命だ。」

「…だったら聞かないで下さいよ。でも…」

「でも?」

「…私の力、認めてくれる人がいたんだって思うと…嬉しいです。」


いつも真剣に、修行をこなして。

速さならひたすら走って。剣ならそこら辺にモンスターがいるから丁度いい練習台。

後は、認められたくてここまできた。

戦っても、先が見えなくても。

認められるなら、それでいいと思ってた。


「…そうか。…セリアといったな。」

「はい。」

「…行こうか。社長も待っている。」

「…はい!」


セフィロスさんは凄い。

威圧感、オーラ。

なんだか全てが超越しているような気がする。


「…セリア。」

「なんですか?」

「これからは俺がお前を鍛える。覚悟しろ。」

「…え、セフィロスさんが!?」

「不満か?」

「いえっむしろ光栄です!」

「フッ…そうか。さっきもいったが、覚悟しろ。俺の教え方は優しくはない。」

「望むところです!」

「いい心がけだ。」


フッと笑うセフィロスさんが凄くドキッとする。

だけど、それは憧れからくるものだと自分で解釈した。


やっと、戦っている意味が見えた。

私は…この戦っている先、何が見えるだろう。

絶望かもしれない。希望かもしれない。

でも、ここがスタート地点だから。

…私は、頑張れる。


『セリア・アークレイ

 本日を以って、ソルジャー3rdの位を授ける。

 プレジデント・神羅』


私の戦いは、始まったばかり。

先に見えるのはセフィロスさん。

…この背中を、ずっと追い続けたい。


End…?

あとがき

こう、何が書きたかったってーのがすげぇ多い気がする…。
いや、戦いの先に見えるものって思いつかなくて。
結局、まだ曖昧なんだけど…それは後々、といったところでしょうか。
絶望かもしれない。セフィロスが導いてくれるかもしれない。
まぁそんな感じで初セフィロス夢です(苦笑)
次こそリベンジ…!!

PCサイトより移行。
戦うってのが何なのかってのを模索してたのかなー。多分。

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