溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情
いつかは、そんな日がくるんじゃないかって、思ってた。
だけど、それはどうしても嫌だった。
「俺さ、好きな奴が出来てさ、」
言わないで、その先は。
「今日な、告ってきたんだよ。そしたらどうだったと思う?」
「…あまりに軽率な行動があるからって、フラれた?」
「それがよー、二つ返事でOKだったんだぜ!!」
あぁ、感情が溢れ出す。
醜い、嫉妬と言う、感情が。
「へー…心が広い人もいたもんだね。」
「何だよー、ちょっとセリアちゃん冷たくない?」
「いつもでしょうが。」
「まーそりゃそうだけどさぁ。そんな顔ばっかしてっと男にモテないぞ?」
「別にモテたくてこんな所に入ったわけじゃないし。せいぜい女と遊びすぎて足手まといにならないようにね。」
「ちぇーっ可愛くねーの。」
分かってる。
そんなの、自分が一番分かってる。
別に気付いて欲しいわけじゃない。
ただ、悟られなくてよかった。(こいつが、ザックスが、馬鹿でよかった。)
「なー、セリアちゃん。」
「いい加減ちゃん付けはやめてくれない?思わず他の男にした行動を取りそう。」
「あー悪かったって。…でもさ、セリア。」
「何よ。」
「…。」
いきなり真剣顔にならないでよ。
ドキッとしてしまう自分がいるから。
嫌になる、付き合う女がいるんだから、諦めなきゃ駄目だって言ってるのに。
余計な期待を持ってしまう自分がいて、気持ちが悪い。
「それで、幸せなのかよ?」
「は?」
「だぁからぁ、それでいいのか?って言ってんの。男作らないで戦場で命散らしちゃっていいわけで?」
「それがソルジャーの仕事でしょ?男は作らなくても生きていけるし。」
「…。俺はさ、セリアに幸せになって欲しいんだよなぁ。何といわれようと、女の子だし。」
ドクン。
鼓動が、ひときわ大きく脈打つ。
今、この男は何と言った?
なんといわれようと、おんなのこ?
どこかでタブーにしていたその単語を言われた瞬間、こいつを殴り飛ばそうと行動しそうになった。
でも、所詮は…出来ない。
「…そーゆー女の子だし、ってのやめてくれない?思わず殴り飛ばしそうになるでしょ。」
「でも、今回だけは言わせてくれ。」
あぁ、もう余計な期待をさせないで。
私は、あなたは好きなの。
でも、叶わないの。
ただ、
溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情
とめられない。
「お前も、幸せになる権利がある。だから、少しは自分の事も考えろよ?」
「…それをさせてくれないのは、アンタよ。」
「…?何か言ったか?」
「いーえ、別に。じゃ、そろそろ私任務だから。今の内に彼女に会っておけば?その調子だとそれが最後の顔合わせになりそうだし。」
「あーっそういうこと言うなって!いいんだよ、後で会いに行く!行こうぜセリア!」
「はいはい。」
この感情に気付かないで。
この感情に気付いて。
私は、これからはあなたの顔を見ただけでも涙しそうです。
End…?
ザックス夢。悲恋ですねぇ。
似たような感じのものを(というかザクエア前提だったものを)書いたね…●| ̄|_
でも今回はエアリスじゃないです。違う女の子。
まだまだ新米っぽいザックスと少し上のヒロイン設定。
…こういう恋も好きです。(死)
PCサイトより移行。
微妙な19のお題様よりお借りいたしました。
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