あなたという人が、自分だけのものになればいいのに。
いつも、いつも思っていたの。
「…ラウド。クラウド?」
「…?あぁ、ティファか。どうした?」
「そろそろ交代の時間だよ。」
「…そうか、じゃあ後、頼む。」
「オッケー!あ、セリアも交代の時間だっけ…あれ?起きてる。」
「うん、ユフィってば寝ちゃったから。やっぱり一番動いてくれてたし…代わりに。」
「そっか…でも、セリアもゆっくり休んでね?」
「分かってるよ。」
心配性なティファ。
私はそんなことじゃ挫けないし、倒れもしない。
ティファは今、クラウドと話している。
それに、起きたのかエアリスも加わっている。
「…私のモノ、じゃないんだから…。」
みっともない、独占欲が私の中に渦巻く。
貴方は私の恋人じゃない。
ただの、旅の仲間なんだから。
そう自分に言い聞かせても、どうしても気になってしまう。
クラウドの事が、好きだ。
死ぬほど…それこそ、自分の命に代えても助けたいと思う。
それほど、私のクラウドに対する想いが強いの。
…でも。
「…セリア?大丈夫か?」
「ん?あぁ、大丈夫。少し、ボーっとしちゃった。」
「…無理はするなよ?」
「分かってるって。私は無理してないよ。」
「なら、いいけど。でも少しでも体調が悪くなったら俺に言えよ。代わるから。」
「だーかーらぁ、大丈夫だって!」
「…………。」
なおも疑うクラウドを上手くはぐらかし、私はクラウドを寝床へと押し進める。
観念したのか、クラウドも素直に毛布に包まった。
「…。本当に、八方美人なんだから。」
誰にも聞こえない声で、呟く。
貴方のそういう態度が、私を嫉妬でいっぱいにする。
想いが強すぎて…そのうち、心配をかける程の怪我をしてしまうかもしれない。
一つのことに囚われるほど、注意力は散漫になるのだから。
「いつまでもこんな想い、耐えられないよ…。」
座って、膝を抱えて蹲る。
耐えられないのなら、言えばいいのだけど。
そんな旅じゃない。今は、セフィロスを倒すために…命懸けの、旅をしているのだから。
恋愛沙汰なんて…二の次だ。
「あぁ…初めから…
あなたという人が、自分だけのものになればいいのに。
そうなっていれば、こんな想いはなかったのに。」
自分勝手な思いかもしれない。
だけど、今だけはこう思わせて欲しい。
苦しい思いも、狂おしいほど想う気持ちも、全てここに捨ててしまうから。
だから、今だけは…どうか…
End…?
あとがき
クラウド夢。
切ないんだかシリアスなんだかよくわからない代物になりましたね。
多分シリアス。うん、シリアスで決定。(…)
凄く今更な質問ですが、シリアスと切ないってどう違うんですか…。(ヲイ)
切ないのが苦しいで、シリアスがいじめとかそういう系統…?
あぁ、もう一回勉強しなおしてきます…●| ̄|_
PCサイトより移行。こういう嫉妬ネタは書いてて割と面白い。
微妙な19のお題様よりお借りいたしました。
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