ずっとそばにいるから。
もう、悩まないで。
俺が、ずっと…傍に、いるから。
「セリア。」
「あ、クラウド…。」
幾分か元気のない声で俺を呼ぶ、俺の愛しい人、セリア。
最終戦を前に、恐らく…迷っているのだろう。
セフィロスと戦うのに、少しセリアの目に迷いが生じられた。
あれから、色々あった。
エアリスは死に、俺は俺で自分を見失ってしまった。
俺がライフストリームに落ちて、一番心配をしていたのはセリアだったと言う。
…セリアには、迷惑をかけたと、思っている。
だけどセリアは「…クラウドが戻ってきてくれて、良かった…!!」と言って迎えてくれた。
それが、俺にはどれだけ救われたことか。
この想いが、なんなのかは十分分かる。
だが、今は。
セフィロスと言う宿敵を討つためにも、北へと進まなければならない。
「…まだ、迷っているのか?」
「…ごめん。やっぱり、私…。」
「いや、迷うのは当たり前だ。セリアにとって奴は…特別な奴、だったんだろう?」
「…。」
「戦うのを躊躇するのも分かる。だから、ゆっくり、考えてくれ。」
本当は、特別な奴、だなんて言いたくなかった。
だけど、セリアにとってはソルジャー時代からの戦友と言っても過言ではなかった。
…多分、ザックスよりも、一緒にいた期間が長い。
だからなのだろう、特別だと思うのは。
それは、仕方ない。
仕方ないが…やはり、俺の気持ちは焦る一方で。
どうしようもなく抱きしめたい衝動に駆られるが、それは抑制する。
ましてや、今は…セフィロスとの対戦の、前だから。
「…ねぇ、クラウド。」
「何だ?」
「クラウドは…躊躇わないの?かつては憧れだったのに…。」
「…確かに、一時期は躊躇うこともあった。けど、今は…ただの、殺人鬼だ。たとえ今地中深くに沈んでいるとしても…。」
「この星を救うため、戦うってこと?」
「…あぁ。星を救うためでもあるが…俺は、断ち切りたいんだ。」
「…何を?」
「俺自身の中にある、モヤモヤを。因縁を。…全てを。」
かつては英雄だった、俺の憧れ。
今は、神になろうとする異端者であることに変わりはない。
そして…あの時の、決着をつける。
俺のセフィロスを倒す理由は…それだけ、だ。
セリアは、納得したかのように頷き、立ち上がった。
「…うん、決めた。私も…セフィロスと、戦う。倒す。」
「…大丈夫か?」
「うん。クラウドが…きっかけ、かな。」
「…それは良かった。…もうすぐ、夜が明けるな…。」
「…クラウド。」
「ん?」
「ありがとう。好きだよ。」
一瞬、心臓が止まるかと思った。
満面の笑みで「好きだ」と言ったセリアは、それだけいって寝てしまった。
「…俺も、好きだ…セリア。」
これほどまでに顔が緩むのも、この先セリアだけだろう。
そして、これほどまでに素直になれるのも…セリアの前でだけ、だろう。
セリアの額にキスを落とし、俺も寝に入った。
俺が、ずっと傍にいるから。
セリアを、置いては行かないから。
俺の肩を借りて寝ているセリアを見て、俺は自分の心の中で、誓った。
END…?
あとがき。
かーっ短い!!
っていうか歯がゆい!!クラウド好きなのに何してんだ自分!
しかもまた本編沿い(ティファのポジションをヒロインにしてますけど)ときた。
どんだけオリジナルが作れないのかという…はぅ。
そういえばクラウド2作目だけど、両方とも原作沿い、だ…●| ̄|_
オリジナル…作らなきゃな…。
っていうかクラウドの口調が分からない…●| ̄|_
どうでもいい話だけど、クラウドって絶対21歳には見えませんよね…。
「行こうよ、みんな」って。アンタ何歳だよって思ったよ…(苦笑)
PCサイトより移行。こんなん書いてたのか…。
お題はtrash様よりお借りいたしました。
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