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最高の、お祝いを





生まれてきてくれた、貴方に最高のお祝いをしたい。


「隆也ー!」

「おー、來羅。」

「今日はお疲れ様!…凄いプレゼントだね。」

「あぁ…。ったく、こんだけあっても迷惑だっつの…。」


そういいつつも、やっぱり隆也は嬉しいらしくて嫌な顔はしていない。

まぁ誕生日を祝ってもらって嬉しくないわけないからね!

…でも、ちょっとジェラシー。

隆也と付き合ってるから(しかも公認!)、貰って欲しくないっていうのもあるけど。

そんな彼女じゃダメだよね!もっと寛大な心を持たなきゃ!


「來羅、何かいるもんある?欲しいのあったら持ってっていーよ。」

「本当?でも悪い気がするんだけど…。」

「いいよ。どうせ全部持ち帰れねーし。」

「…んーじゃあ…数個ほど。」

言って、私はプレゼントの山を物色し始める。

中には時計とか、食べ物とか、タオルとか。

って、食べ物どうする気だろう?

しかも甘いものばっかり。隆也、甘いのあんまり好きじゃないからなぁ。


「…來羅…半分、いや3分の1でいいから、食べ物持って帰ってくんねぇ?

 さすがに俺ん家じゃ食い切れねぇ。」

「というか隆也、甘いのあんま食べれないでしょ?」

「…あんま食いたくねー。來羅だけでいい。」

「あのね…う、まぁ、その…はぁ。(隆也はたまにほんと爆弾発言落とすよね!)」


急にそんなこと言うものだから、照れる。(多分私の顔は少し赤いはず!)

隆也って、普段絶対こういうこと言わないのに突然言うから困る。

…でも、今日は私が隆也を照れさせるんだから!

そのために、鞄の中に入っているプレゼントを持ってきたんだしね!


「…こんなもんか。遅くなっちまったな…悪ぃ。」

「いーよ!隆也と一緒にいられる時間が長くなったから。」

「ばっ…、お前なぁ…。…來羅、お前は、くれねーの?」

「(話し逸らしたね)ん?あるよー。でも荷物多いし、後であげる。」

「…なんで今じゃねーんだよ…。」

「(隆也って分かりやすいなぁ。可愛い…。)プレゼント、他の人と一緒じゃやだから。」

「…。分かった。」


隆也は意外と子供。

だから、まぁ…つまり、欲求に従順というか。

とりあえず、欲しいと思う物とかは意地でも手に入れるって感じ。

実際、付き合うきっかけになったのは、私が他の人に告白されてる所に隆也がいきなりきて私に告白して連れて行かれたっていう…。

いつもの、野球部で見る隆也とのギャップがあったから驚いたなぁ。


「…ぃ、おい、來羅!!」

「へぁ!?」

「俺ん家、通り過ぎるつもりか?」

「え、あぁ…ごめん、ボーっとしてた。」

「…はぁ…ったく。そうだろーと思ったよ。話しかけても全く無反応だったし。」

「ご、ごめんって!…ほら、プレゼント置いてきちゃいなよ!」

「…、いや、ここに置いとく。プレゼント、くれよ。」

「や、待ってるし…置いてきなよ。」

「いや、今貰う。で、これはここに置いとく。…來羅のだけで十分だから。」

「…!!」


て、照れさせるつもりが逆に照れてしまったよ…。

いや、まだ私何もしてないんだし、これから照れさせればいいんだよね。


「…あ、あり…がと。じゃ、目瞑ってて。」

「分かった。」


そう言ってすぐ目を閉じて、嬉しそうな顔で隆也は待ってる。

寒いからか、頬が少し赤い。

この後は家に帰らなければならないのが惜しいけど…仕方ないか。

忍ばせていたプレゼントを出し、首に巻いてあげた。

…そう、私が隆也にあげたのは、手編みのマフラー。


「…これ…」

「作り始めたのは1ヶ月前くらい。…ちょっとほつれてるところあるけど…ごめ、」


ん、という前に目の前は真っ暗になる。

暖かい、隆也の腕の中に私はスッポリと入る。


「…サ、ンキュ…。」

「隆也…え、と、ちょっと苦しい、よ?」


というか顔が見えない。

これじゃあ一つの目的が果たせない。

けど、隆也が嬉しく思ってるならいいかな、と思った。

多分、今、絶対、隆也は笑ってるから。


「離さねー。つか、帰さねー。」

「え、それは、困る…」


ギュウ、と更に強くなる腕の力がその言葉の強さを物語っている。

…そんなこと言われたら、帰ろうにも帰れないよ。

と、少し抱きしめる力が緩められる。

同時に、降りてくる…影。

瞬間、私は目を閉じた。


「…、…っ…」


後頭部は右手で押さえられ、後ろに引こうにも左手が腰を抱えていて、引けない。

いつもより長いキスに、私は一生懸命答えた。

でも、長すぎて…、立って、いられなくなる。

隆也とのキスはそれぐらい甘くて…強烈な、刺激。


「…はっ……」

「…わり、大丈夫か?手加減忘れた。」

「…ん、大丈夫。」

「來羅が可愛いことすっから…思わず。でも、マジでこのまま帰したくねー。つか、もう泊まり決定な。」

「え、や、その…何か、いつもと違って強引…だね?」


いつも、隆也はこういうことに関してはちゃんと許可を得てからする。(お泊りね!)

…あれ、凄く…顔、赤い。ひょっとして…照れてる?


「…ほら。早く。」

「…、隆也!」

「何、ぅわっ!?」


さっきの仕返し!と言って私は抱きついて触れるだけのキスをする。

そしたらそのまま掴まって、お姫様抱っこをされた。


「ちょ、隆也!?」

「先に飛びついてきたのは來羅だろ。」

「だ、だからって…!」

「…今日はたっぷり、祝ってくれるんだろ?」

「ぅ…」


もう、私が泊まることは決定済らしい…。
まぁ親は、許してくれるだろうし…いっか。


「…、分かった。あ、隆也。」

「何だ?」

「まだ言ってなかった。誕生日おめでとう。…生まれてきてくれて…ありがとう、隆也。」

「…サンキュ、來羅。…そうだ、もう1つ、プレゼントが欲しいんだけど。」

「…何?あげられるものなら、何でもあげるよ?」

「――――來羅の、…未来を、くれ――――」

「…!!…うん、あげる。他ならぬ隆也のお願いだもんね!」

「じゃ、中入んぞ。寒ぃ…。」

「って、このまま入るの!?それは恥ずかしい!!」

「大丈夫だ。今親いねーし。」

「そ、そーゆー問題じゃない…!!」


それでもなす術はないから、私は大人しく隆也に抱かれたまま、隆也の家に入った。


――Happy Birthday,Takaya!――


End.


あとがき

初阿部が誕生日夢て。まぁ祝ってんだしいいでしょう!笑。
エセですみません。もっと勉強してきます。

ハピバ(仝ω仝)!^^

PCサイトより移行。
お前本当に高校生かw

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