分隊長がドMなのにドSだったの逆バージョン
※でも分隊長のが一枚上手
※ゲームで巨人に捕まったときのハンジさんの声がエロかったので








「ぶ、分隊長…紅茶です」

「遅い」

「ふぐっ…すみません…」

「お、溢さなかったね?えらい、えらい」

どうしてこんなことになっているんでしょう…。







分隊長がドSなのにドMだった







ハンジ分隊長、優しく、部下にも気遣いを忘れない、あの変人な部分さえなければ上司の鑑のような、そんな彼女。

対してなんの取り柄もないが、なぜかハンジさんに気に入られ、まさかの奴隷扱いを受けている私。

部屋の外では、あくまで優しい上司なのだ。

失敗したって、すぐフォローしてくれるし、それはありがたいのだが、彼女の部屋に入った瞬間、彼女は女王様に変貌する。

「そこの書類、とって」

「は、はい…どうぞ」

にこ、と笑って私を顎で彼女は使う。

最初は本当に普通の上司と部下だったのだ。

それが、いつしかこんなふうになってしまった。

…信じる人がいるだろうか、これでも私たちは恋人同士なのだ。

最初に私に近づいてきたのはハンジさん、彼女は女性なのに、私はまんまと落ちた。

それから、この様だ。

私は恋人でありながらこの魅力的すぎる女王様の奴隷と成り下がっている。

「なまえ?」

「は、はいっ」

「肩、揉んでくれない?」

「はい…」

彼女は、私が彼女のわがままを聞くのが嬉しくて仕方ないらしい。

従う私も私。

ただ、それでもそれが愛ゆえなのならば、私は喜んでわがままだろうとなんだろうと聞いてしまうのだった。

それでも、決して利用されているわけじゃない。

だって、これはギブアンドテイクなのだ。

今、私は彼女に"与えて"いる。

本当に奴隷なら与えるだけかもしれないが、私はきちんと、それ以上の対価をもらえることを知っていた。

「あの、ハンジさん…」

彼女のを揉んでいた手を、する、と彼女の胸まで下ろしてみる。

「…なまえ、私はがっつく犬は嫌いだよ」

まだ、だめなようだ。

仕方なく、彼女の肩を揉み続ける。

ああ、やっぱりかなり凝ってるな…。

そう思って、しばらくご褒美のことは考えず、ただひたすら彼女の疲れを癒すことを考えた。

「ふふ、なまえってば肩揉み上手くなったね?」

書類に目を通しながら、彼女が言う。

「ハンジさんのためですから」

「さすが私の彼女!いい奴隷根性だ」

「…あはは」

だめだ、まだ彼女の中ではご主人様モードのようだ。

ご褒美モードへの移行はまだまだ先。

まずは、彼女のご機嫌取りをしなくては。

「ハンジさん、紅茶おかわりしますか?」

「え?うーん、お願い」

「はいっ!」

先ほどまで彼女が飲んでいた紅茶のカップに、すぐさま淹れた紅茶を注ぐ。

「どうぞ」

「ありがとう」

「こちらの資料、読み終わったなら提出してきますよ!」

「まだサインしてないだろ?よく見なよ」

「すみません…じ、じゃあまた肩お揉みします!」

「お願い」

真剣に書類に目を通す彼女の背後に回り、肩に手を置く。

書類の提出日は明後日…内容は調査兵団関係…そりゃ真剣にもなるか。

もしかしたら、今日はご褒美なしかもしれない。

たまにあるのだ、使うだけ使われて、そのままハンジさんがご褒美を忘れて寝てしまうなり、朝まで寝るのを忘れるなり、してしまうことが。

まあ、その場合朝ものすごく申し訳なさそうにしている彼女が見れたり、その日の夜がずっとご褒美の時間になったりするので、それはそれでよかったりするのだが。

それでも、我慢しているこのときは生殺しにも程がある、つらすぎる。

ハンジさんが紅茶を二杯目飲み終わったのを見て、すかさずおかわりをつぐ。

と、書類に集中しすぎてか、紅茶が淹れたばかりで非常に熱いのを忘れたらしく、それをすぐ口に持っていってしまった。

「ハンジさん、まだ…!」

「熱っ!」

「ほら…」

「うわあ…舌火傷したあ…」

ハンジさんが少しでも冷たい空気にさらそうと、べー、と舌を出す。

「……」

これで、我慢できる人っているのだろうか。

少なくとも、私はできなかった。

「ハンジさんっ!」

「えっ?うわっん!?」

背後からぐいっと顔を前に回して、その舌に噛みつくようにキスをする。

「ん…っ!ちょ…っ、離せよ…っ!」

「むり、です…っん」

制止も聞かず、思いきり舌を絡める。

噛まれるんじゃないかとも思ったが、そのときはそのときだと思うことにする。

「ん、ぷ…はっ」

「っは…なまえ…!」

「ご、ごめんなさい…でもなんか、その…」

「…その?」

「ハンジさんが舌出してるの…エロくて…」

「…ふーん?」

「す、すみません…」

思わず後退り。怒られたら土下座しよう。

「がっつく犬は嫌いだって、私言ったよね?」

「はい…」

「…そんなにご褒美がほしい?」

「はいっ!ほしいです!」

「なら、必要な手順を踏むべきじゃない?」

ハンジさんが私の方を向いて座り直す。

足を組んでから、ブーツを蹴るように投げ飛ばした。

すさまじい奴隷根性というか犬気質というか、思わず言われなくてもそれを拾いにいこうとしてしまうが、ハンジさんが一言いいよ、と言ったので、その場に留まる。

「舐めて?」

私に向かってそう言い放った女王様の顔が、あまりに妖艶すぎて、しばらく一人寝でも困らない気がした。

ズボンをたくしあげて、足の裏からふくらはぎ、そして膝小僧まで丁寧に舐めあげる。

汗の味がしてしょっぱい、興奮する。

「自分でやらせておいて難だけど、よく人の足なんて舐められるよね、なまえ?」

「ハンジさんの、ためなら…」

「それこそ自分で言うのもおかしい話だけど、私ってあなたにとって、そんな尽くすだけの価値がある人間かな?」

「は、い…」

「…私を庇って、巨人に食べられそうになっちゃうくらいだもんね」

「だって、ハンジさんがいなくなったら、私…」

「大丈夫だって、私死なないから」

「…うん」

思わず不安になる。

さっきまで正直、ご褒美ほしくて仕方がない気持ちでいっぱいだったけど、今はハンジさんに自分がどれだけあなたが好きで、どれだけ尽くせるのかを伝えたくて仕方がなかった。

それでも、どんなに今こうやって彼女の言うことを聞いて、彼女の足まで舐めたりしても、私の気持ち全部は伝わらない気がして、もどかしい。

「なまえは、いいこだね」

椅子に寄りかかっていた上体を起こして、彼女が私の頭を撫でる。

「ハンジさん…」

「ベッド、行く?」

「行きます!!」

ごめんなさい、やっぱり私の頭はハンジさんとのいやらしいことでいっぱいです。




ハンジさんがベッドに寝転がったのを見て、それに覆い被さるように私もベッドへ。

「君は本当に私が好きだね」

「はい…」

「私もずいぶんいい女を捕まえたもんだ」

ぎゅう、とハンジさんが私を抱き締めて、頭を撫でてくれる。

好き好き、どうしてこんなに好きなんだろう。

たぶん、ハンジさんはわかってたんだろうな、私がハンジさんを好きになるって。

でも、私に自分から女性を好きになってしまったことを認められるだけの度胸や、そもそも自分から迫るくらいの甲斐性がないのを、見抜いて彼女から来てくれたんじゃないかな。

出会ったその瞬間から、私はきっと彼女の手の内だった、そうに違いない。

「ハンジさん…あの…」

「なあに?」

「キスしちゃ、だめですか…?」

「いいよ、して」

「やった!」

思わずガッツポーズして、彼女の唇を食べる。

お互い息が漏れる。

どうしよう、色っぽい、食べちゃいたい。

私がもし巨人だったら、ハンジさんだけは食べちゃうかもしれない。

もちろん、殺しはしない。

口の中に含んで、舐め回して、それからハンジさんに口のなかから切られて、そのままきっと削がれる。

いや、削がれるんじゃなくて、捕らえられたいな。

どんな実験にだって、きっと耐えるから。

「ハンジさん…っ」

「ん、な…何…」

「触ってほしいですか?」

彼女のシャツのボタンを、ゆっくり外す。

「っ君の…好きにしろよ…」

「じゃあ触んない!」

わざとらしく、密着させていた上半身を起こし、手を万歳。

真っ赤な顔して睨んでくるハンジさんがいとおしくてしょうがない。

ベッドでキスしたら立場逆転、私たちの暗黙のルール。

「さっきまでがっついてた犬が何言ってるんだよ…!」

「分隊長は、がっつかれるのはお嫌いでしょう?」

「人の足舐めるような女が生意気言うなよ!」

「人に足舐めさせて女王様気取りの人こそ、調子に乗らないでくださいー」

「この…っ」

「がっつかれたくないんでしょ?
私の好き勝手にされたくないんでしょ?
なら、ハンジさんから私にしてほしいこと、言ってくださいよ」

「なまえ…っ!」

悔しそうに下唇を噛み締めている。

「……」

「ハンジさあん、言ってください」

「……て」

「はい?」

「なまえ、…シて」

「はい!」







「ハンジとなまえは、やっぱりハンジがタチなのか?」

「ごめん、エルヴィン。
色々突っ込みたいことはあるんだけど、とりあえずそれセクハラ」

「はは、まさか。パワハラだよ」

「この際両方変わらねえよ!」

「いや、大事な部下のことだからね。
気になるのはしょうがないじゃないか」

「だからってタチなの?ネコなの?って聞かれる日がくるとは思わなかったよ…。
むしろ、よく知ってたね、その言い方」

「この前調べたんだ。で、どっちなんだ?」

「…何でそんなに食いつくの?」

「いいじゃないか」

「タチじゃないよ、ネコ」

「…それは意外だな、想像できない」

「したらそれは本当にセクハラだから」

「未だに君が女性だと認識できなくてね…」

「そっちかよ!」

「だが、なまえが君を攻め立てる様子も想像できないな…」

「それはしたら本当に怒るからね!?
…まあ、でもなまえってたぶん本来はネコ気質なんじゃないかな」

「それが、どうして?」

「S調教したんだよ…!
部下に普段偉そうに振る舞っておきながら、ベッドじゃ立場逆転していいようにされるなんて、最高にたぎるだろ!?」

「……君はそういう性癖なのか?」

「もう私のために何でもしちゃうなまえも、楽しそうに私をいじめてくるなまえもかわいくてさ…!」

「サディストに見せかけてマゾヒストか…」

「全部私の思い通りに動いちゃうなまえが好きだ!
かわいい、あんないい女いないよ!大好き!!」

「…と、見せかけてやっぱりサディストなのか……?」




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