キリ番17000リクエストの「上司とお風呂に入ったら胸を揉まれたの続き」です。
相変わらずただの親父です、申し訳ない。





久々の二日連続休み、何も義務が発生しなかった私は、この二日間、軍服を一度も着用しなかった。

訓練はした、筋トレとか。

でも、とにかく軍服は着なかった。

朝、相変わらず上司に昨晩もみくちゃにされただるい身体を起こし、下着を着けて、シャツを着る。

なんとなく違和感は感じたが、まあ無視。

そのあとベルトを取り付けようと、ぱちぱちとそれをつけていく。

……胸の、ベルトが、閉まらない。







上司兼恋人に胸を揉まれ続けたらベルトが閉まらなくなった






嘘だあ。

そんな呑気な声がぽかんと開いた口から溢れる。

三日前、まあ確かに最近ベルトがきつくなっていたのには気づいていたけれど(2カップアップだし…)、それでも私はきちんと着れていた。

まさか二日着ていなかっただけでサイズが変わるわけがない…。

そうは思っても、実際にベルトは閉まらない。

…どうしよう。

幸い、今日は時間があるから、まだ余裕だけれど、このまま閉まらないのは困る。

とりあえず、うーんうーんと唸りながら、これは新しいベルトにするしかないかな、と思っていると、ベッドで何か蠢く音がする。

「ハンジさん…?」

「ん…」

真っ裸のハンジさんが恥ずかしげもなくシーツを取り払って、うーんと伸びをする。

「服着てください!」

「うおっ!?」

ハンジさんが昨日脱ぎ散らかした服を投げつける。

仕方ない、ハンジさんに恥じらいがないのが悪い、私は決していやらしい目でなんか見ていない。

「はあ…」

「朝からため息?幸せが逃げるよ」

「いや…うーん」

服を着ながらハンジさんが首を傾げるのを、彼女に背を向けてから、顔だけ振り返って見る。

背を向けて、というのは結局、このベルトが閉まらない事実が恥ずかしくて隠したかったからなのだが、でも隠しても仕方ないしな…。

そう思い、今度は身体ごと振り返り、私のため息のもとを見せる。

「…閉まらないんです」

「え?マジで?」

「はい…」

「あっはは!!マジで!すごいね!
ちょっと抱いただけででかくなるんだ、女体の神秘だね…!」

「まさか、それだけでここまでなるわけないじゃないですか…」

だと、信じたい。

いや、絶対何か他の要因もあるんだと思う。

例えば、生理前で胸が張ってるのか…わからないが。

とはいえ、実際にベルトは閉まらなくなっている。

「確かにさあ」

シャツを引っ掛けただけのハンジさんが、こちらに近寄ってくる。

決していやらしい感じにではないけれど、胸に手を置かれて、気持ち後ずさる。

逃げないでよー、なんて彼女が言うけれど、そりゃあ普通逃げるだろう。

「なまえ、胸おっきくなったよねえ」

「……たまたまですよ」

「たまたまにしても、私が無関係だとは思えないなあ」

「…ハンジさん」

「なあに」

「服、着てください」

「何、今さら恥ずかしくもないでしょ?
昨日、散々見たんだから」

「着てください!」

「はいはい」

ハンジさんがシャツのボタンをかけ始める。

「ハンジさん、ベルト予備とかないですか?」

「あるよ、その辺」

「…散らかっててわかりません」

「しょうがないなあ」

「あ、いいですよ。ハンジさんは服着てください」

「そう?じゃ、その辺勝手に探して」

「はい」

その辺、と言われた辺りをとりあえず探す。

彼女の部屋は散らかり放題だから、見つかるか不安だったが、案外簡単に見つかった。

「ハンジさーん、これちょっとお借りしますねー」

「うん、いいよー」

自分がつけていたベルトを、ここまで着ておいてもったいない気もするが外し、彼女のを着けてみる。

彼女は兵士らしく筋肉質だが細身、とはいえ身長がそこそこ高めなので、たぶん私のよりサイズは大きめだろう。

とりあえず下からベルトをとめていく。

そして胸。

「よいしょ」

前屈みになりベルトを緩めて、どうにかがちっととめる。

よし、と姿勢を正す。

「うおっ!」

「? ハンジさん?」

「何それ、なまえエロい!
めっちゃベルト食い込んでる!!」

「、っ変態!」

「うおおお!触っていい!?
ねえ、いいでしょ?触るだけだから!!」

「だめです!」

「えい!!」

「うわあっ! 」

がばっ!とハンジさんが私の胸に飛び込んでくる。

そのまま両手で胸を揉みしだかれる。

「ちょ、っとハンジさん!」

「うわあああ…、何これめっちゃエロい」

彼女がそう言う私の状況、胸部分のベルトが、きつくて胸に食い込んでいるのだ。

なるべく上に上げて、食い込まないようにはしたが、それでも多少は致し方ない。

「なまえ、ごめん」

「え…?」

「我慢できない」

「ちょっ!」





あれよあれよという間に、ベッドに逆戻りさせられた私は、せっかく着た服を脱がされ、真っ裸にされる。

「ハンジさん、時間…!」

「今日はまだ平気だよ、だからこんな早起きしなくてもいいのにって思ってたけど、たまにはいいね。 三文の徳」

「そう、ですけど…!
こんなことしてる時間は……」

「ふふふ〜♪」

「聞いてください!」

私の抗議も完全に無視し、何やら私に覆い被さったままがさごそと何かを探す。

「あった!じゃーん!」

そこには、我々兵士のつけているベルト。

「え…?」

「確かベッド近くに落としたままだったと思ってたんだけど、本当にあってよかったよ」

「そうですか…」

「訳わからない、って顔してるね、なまえ」

「そりゃあ…何で今ベルトなんです」

「ふふ、これはベルトはベルトでも、ただのベルトじゃあない!」

「はい…?」

「二サイズは小さい、より締め付けのあるベルトだ!
つまり!より食い込む!」

「…何をするつもりですか」

「こうだ!」

「わあっ!?」

ハンジさんが、そのベルトを私に装着してくる。

…素肌に。

「ちょ、っと…っ!何考えてるんですかっ!?」

「一度やってみたかったんだよねえ、裸ベルト」

「はあっ!?」

「あはは、暴れないでよー!」

「ち、ちょっと、やめてください…痛いですっ」

太ももにベルトが食い込むのもお構い無し(むしろそれが目当てか…)に、無理やりそれを閉めてくる。

「さて、胸もやっちゃおうか…」

ふへへ、なんてもう突っ込みどころ満載な笑い声を上げながら、彼女が止まるはずもない胸部分のベルトを閉めようとしてくる。

しかも、トップに合わせて。

「痛い…っ、ハンジさん、痛いですっ」

「だろうね」

だろうね、じゃない!と思いつつ、胸を思いっきり潰しながら、彼女はベルトを閉めてくるものだから、痛くて仕方がない。

けれど、気合いというか執念というかなんというか、痛みに私が耐えていると、ふんっと声をあげて無理やりベルトが引っ張られて、かちゃんとそれが止められた。

「ハンジさ…、苦し…っ」

「うふぉぉぉおっ!エロい!!
すっげえエロい、マジエロいいいっ!!」

「叫ばないでください…っ!」

「ああ、でもこれやばいよ!
すげえ!エロい!!最ッ高にエロい!」

「ハンジさあん…!」

「うおおあざとい!ここで名前とか!
ここで名前呼ぶとかあざといいい」

上で騒いでいるハンジさんはこの際どうでもいいとして、胸は割と真面目に痛い。

太もももだし、とにかくベルトが色んなところに食い込んでる。

「うわっ!」

「ああっ!!」

さすがにきつかったのか、ベルトが上にぐいんとずり上がってしまった。

乳首が摩擦されて痛い。

「あー…せっかく胸潰したのに…。
でも、これもなかなかいいね、悪くない」

ぺろりと胸を舐められて、先ほど擦れたのもあってちりちりと痛い。

「こっちも」

「った!」

太ももに食い込むベルトに無理やり指を挟まれて、ばちんと引っ張られる。

「あはは、これいいな」

「ちょ、ったぁっ!」

ばちん、ばちん、と色んなところをベルトで叩かれる。

「痛…ハンジさん、痛い…っ!」

「顔真っ赤にして何言ってるの?」

「……っ」

目をそらす。

もちろん心当たりがあったから。

「ハンジさ…」

「最後までする?」

「…聞かないで」

「じゃあやめようかな?」

「やだ…」

「ん?」

「や、です」

「うん。それで…?」

「最後まで、してください…」





「遅れた理由はそれだけ」

「うん、ごめんねリヴァイ!
でもなまえは悪くないんだ、だから彼女のことは叱らないで!」

「ああ、無論だ。全部てめえが悪い」

「あはは!ごめんごめん!」

扉の前で、私が追い出したハンジさんと、ハンジさんがいつまでも現れないといらいらしながら部屋を訪れてきたリヴァイ兵長の声が聞こえる。

私は今急いで服を着ている。

私にだって仕事があるのだ、でももう遅刻。

ハンジさんが一緒に事情話に行ってあげるよー、と言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。

本当は、私も最後にほだされて最後まで、とねだってしまったのだから、同罪なのだけれど、何だかんだ扉の向こうでリヴァイ兵長もそうしてもらえ、と言ってくれたので、そうする。

「おい、なまえよ。まだか」

「すみません!!」

「あはは、なまえ最近胸でかくなったからベルトとめるのに苦労してるんだよ!」

「ハンジさあん!!?」

「…チッ」

どうにかこうにかその問題の胸部分のベルトをどうにか閉め、ジャケットを急いで羽織る。

「…、リヴァイ兵長、お待たせしました!」

「遅ぇ」

「申し訳ありません!!」

「あはは、なまえったらリヴァイ相手にそんな堅苦しくしなくていいって〜」

「リヴァイ兵士長ですよ!?
ハンジさん相手じゃないんですから!」

「私仮にも分隊長なんだけど!?」

髪もぼさぼさなまま、リヴァイ兵長にびしっと敬礼をする。

「行くぞ、ハンジ、なまえ」

「おー」

「え?リヴァイ兵長?あの、」

「どうせ会議は終わっちまった、だから構わん」

「え?終わっちゃったの!?」

「ああ。…エルヴィンが、無断欠席を怒っていなければいいな?」

「うわあ…、リヴァイ助けて」

「自業自得だ」

うわああん、と嘆くハンジさんを慰めつつ、急いで班長のもとに向かうと、リヴァイ兵長が俺とハンジが引き留めた、と言って私の無断遅刻を不問にするよう言ってくれた。

ぽかんとしていると、ハンジさんが意外と彼はいいやつなんだよ、と耳打ちしてくれた。

ありがたいな、なんて思って、今までただ怖い人だと思っていた兵長を見つめていると、ハンジさんがいきなり私の肩を掴んでこちらを向かせた。

「えっ!?」

「リヴァイのことばっかり見ないでよ!」

ちゅうっ、と唇に、唇が。

「っ、ハンジさん!」

「……はあ」

兵長がため息をつく。

何だかんだと騒ぐハンジさんを引っ張り、リヴァイ兵長が去っていく。

一瞬のことでよくわからなかったが、今、私、キスされた、人前で。

ちらり、と班長の方を見る。

彼はずいぶん気まずそうにしながら、目をきょろきょろとさせていた。

班員たちも、頭のてっぺんにクエスチョンマークを浮かべたような顔でこちらを見ている。

……残された私は、一体どうすれば。




リクエストありがとうございました。
何やらオチのない話ですが、ぜひお持ち帰りください。


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