リクエスト16.「女将軍型ミカサ」
※ヤンデレシリーズの女将軍型(→どっちつかずでいたら暴力のち監禁された)のミカサ版
第57回壁外調査を終え、どうにか生き残った私たち。
調査兵になってから付き合うようになったミカサが、私にこう打ち明けてきた。
「…女型は、アニだと思う」
「……っ!」
思わず涙が出そうになる。
壁外調査で、女型を遠目に見た。
直感的にそうじゃないかと思った。
けれど、でもそうは思いたくなくて、ずっと黙っていたのだ。
「女型とアニは、顔が似ていると私は思った」
「そ、それだけじゃ判断できないよ……」
「アルミンも、そう言っている」
「アルミンが…っ!?」
アルミンは、我々104期訓練兵の座学トップだ。
知識があるし、座学だけでは計りきれない判断力や、思考能力も高い、勉強においても人間としても頭がいい、いわゆる本物の頭脳派。
彼はすでに上層部の人間にすら信頼されているかもしれない人物なのだ。
つまり、彼がそう判断したというのは、そうである可能性が高いということ。
「違う、アニは…アニはそんなことしない!」
「…あなたが、訓練兵時代からアニと仲がよかったのは、もちろん知っている。
だから、気の毒だと思う…。
だけど、私たちは兵士。
なので、今ここで、私情を挟んではいけない」
そりゃあ、そうだけど。
ミカサだって、エレンが巨人化してどうののときは、私情挟みまくりだったくせに、と、意味のない怒りを覚える。
今は、そんなこと関係ないのに。
「…違う。アニは、違うよ」
「なぜ?
アルミンは、女型はアニだと言っている」
「アルミンだって間違えるときはあるよ!」
「そうかもしれない。
けど、私はアルミンは間違っていないと思う。
だから、なぜあなたは違うと思うのか、聞いている」
ミカサが私をまっすぐ見つめる。
答えられなかった、だって私は女型を、アニだと思ったのだから。
「……わかってるんでしょう?」
背筋がぞくりとする。
「女型がアニだってこと」
「…、」
「じゃあ、戦わなくちゃだめでしょう。
それとも、何か特別な感情が妨げになっているの?」
「そ、んな…」
「私はあなたの、恋人じゃないの?
なぜ、私に答えられないの?
何か、やましいことでも、あるの…?」
「違う…」
「……失望した」
「えっ…!?」
「私はあなたに、失望した。
あなたを愛していたのに、あなたはやっぱりアニの仲間だった」
「、私が女型の味方だとでも言いたいの!?」
言ってから、しまったと思った。
「やっぱり、あなたはアニが女型だと思っている。
なのに、あなたはアニを庇う。
それは、あなたが女型の味方な証拠」
「違う!私は、巨人に挑む、調査兵に憧れて…」
「私は、とても残念だ。
あなたは、今後調査兵団として活動できなくなる」
「それは、ミカサが決めることじゃない」
「ええ、団長の決めること。
だけれど、今の話を私がすれば、あなたはきっと牢の中」
「私を売るの!?」
「巨人の味方ならば、仕方ない。
だけど、安心して。
必ず私はあなたに会いに行く。
毎日会いに行って、世話をしてあげる」
「そんな、…言わないで!
私、ちゃんと、アニと、戦うから…」
ミカサが私に背を向けて扉に手をかける。
「もう、遅い」
振り返ってそういった彼女が部屋を出ていってしまった。
その後私がどうなったのかは、きっとみんな、知らない。