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中学生1

「名前ちゃん!また明日ね!」
『うん、また明日!ばいばい』
「ばいばーい」

クラスでお喋りしてた子達と別れて靴箱へ向かう。

中学に上がって入りたい部活も特になく帰宅部になった。やること少なそうと思って図書委員に立候補したから、委員の仕事は月一で回ってくるカウンター係と本の整理くらい。

小学と中学で何か変わったかと考えたが特にないなぁ…私服から制服に変わったことくらいかな?

あ。あとは、学校の方向や終わる時間が違うから帰りに弟やれいくんと一緒に帰らなくなったこと。これが大きいかも。

こう考えるとかなりの頻度で一緒に帰ってたんだなぁと今更ながらにおもう。

2人がいない時にはクラスの男の子と一緒に帰ってたけど、野球部に入ったみたいだから野球クラブの時とは違って一度帰宅してからではなくそのまま部活に向かうようになったので、一緒に帰ることもなくなった。

「おーい名前ちゃん。今帰り?遅いね」

靴を履いて外へ出ると今まさに思考の中にいた男の子。タオルを首に掛けて水筒もってるのを見れば部活の休憩中らしい。

『うん、クラスで喋ってたら盛り上がってさ、遅くなっちゃった』
「そっか。あっそうだ名前ちゃん、今度の日曜日に練習試合やるから時間あったら見に来てよ」
『えーっ休みの日にまで学校行くのいやだなー』
「ひでえなっ」

『ふふっうそだよ、予定確認して行けそうなら応援に行く』
「っありがとう、待ってる。気をつけて帰ってな!」
『うん、じゃあねー』

迎えの来ない1人の帰り道はちょっぴり寂しかったりする。弟には絶対言わないけど。

ーーーーーー

寄り道することもたまにあるけど基本的にまっすぐ家に帰るので、先に帰っている弟とテレビゲームしたり録画していたアニメを一緒に観たりしている。


「ねーちゃんさぁ」
『なに?』
「…彼氏とかいないの?」
「はぁ?いるわけないじゃん。まだ中1だよ?早い早い!」
「ふーん」

リビングのソファで横になりまったりと雑誌を読んでいたら、カーペットで寝っ転がっていた弟から質問が飛んできた。

「なーんだ。ねーちゃんモテねぇのか」
『おい。…否定はできないけどなんかお姉ちゃんの心にぐっさり刺さったよ』

いひひと笑った弟はパッと起き上がったかと思えば、横になる私の背中に乗っかってきた。おっも。

『うえ、あんたもう5年生でしょ。重いよお姉ちゃんつぶれる』
「なんだよ、ねーちゃんほど重くねーもん」
『はあ?なんだとこのっ』
「わっまった、落ちる落ちるって!っいで!!」

勢いよく起き上がれば背中からソファに落ちる弟。ふっふっふ、お姉ちゃんの地獄のこしょこしょを受けてもらおうか。にこりと笑えば察したのか顔がひきつる弟。

「っっはっ!やめっあっははは!ねちゃっごめんって」
『んー?聞こえないなー。うりゃっお姉さまにごめんなさいは?』
「っく、ははっ…ね、さまごめっあははっ」

くすぐったがりな弟への制裁はもっぱらこれ。弱いところをこしょぐり続ければ目に涙をためてごめんなさいもう言わないから、と息も絶え絶えに言ってきたので反省したなと開放してあげたら、息を整えてこちらを見上げた。

「なんて…うそだよ、あっかんべーっ!
『はぁ!?』

べーっと舌を出してまたいひひと笑いながら自分の部屋に走って言った弟は、鍵を閉めて私を入れないようにしたようなのでこらー!出てきなさい!とドア越しに声を掛けていたらお母さんが帰ってきた。

げ、と思う頃にはもう遅く、「もうまた名前ちゃんったら! 」と怒られた。まって、私悪くないよう!理不尽!

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