小話3
薄手の毛布をかぶって2人並んで寝てたが、あまりの寒さに目が覚めた。
昨日まではまだ少し暖かかったから、寝巻きも夏用のままだったのが良くなかったかな、とぼんやり考えながら隣で眠る彼の胸にぎゅっとくっついてみてもまださむい。
特に足元がひえるのでゼロの足の間にずずっと入れて絡めると、ようやく体が少しずつ温まってきた。ぽかぽかしてきたので、また眠れそうだと再び目を閉じた。
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「ぜろー!」
『なんだ名前、朝からうるさいぞ』
ゼロが仕事で出る前に聞いておかねばと、起きたての頭でベットから這い出てリビングへ向かう。
朝食は食べ終えたのか新聞を広げてコーヒーを飲んでいたようだ。声をかけられ振り返ったゼロは呆れたような顔でこちらを見た。なんだよう。…いや、毛布をひっ被ってるからだろうとわかるが、寒かったんだもんしかたない。
『忘れないうちに聞いておこうと思って!私のモコモコの寝巻きってどこに入ってるか分かる?』
「あぁ、冬用の寝巻きか」
収納場所は覚えてはいるが…と何か考えるように顎に手を当てた。
「冬用の服をまとめて収納してるから、今度俺が出しておく」
『言ってくれれば出しとくよ?』
「いや、俺がやる」
忙しいだろうと思って提案したが、言い切られてしまえばゼロが意見を変える事はほとんどないので素直にお任せしてしまうことにした。
『じゃあそれまでしばらくゼロが湯たんぽ代わりだな』
「ははっなんだそれ」
『ゼロの体温あったかいから気持ちいんだ。』
ゼロは子供体温だな、と言うとなんだか微妙な表情。
「名前おまえ、そう言って、誰彼構わず抱きつくなよ?」
『当たり前じゃん。私が抱きつくのはゼロしかいないよ』
「…そうか。」
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とりあえず毛布を置いてこい、と言われてしまったので、早足で寝室にいき、毛布を置いてきたあと、さっそくくっついて暖をとった。
『無理は言わないけど早めがいいな。』
「…俺はしばらくこのままでもいい」