「しょうと、ねぇ」
「ん」
「せあぶらってどうやってかりるの」
「は?」
一瞬なにを言われたかわからず、こっちを見上げるパジャマ姿の牡丹に視線を移すと胸に抱えられたジャンプが目に入った。
「背脂って何のことだ」
「あ、これ! みねたがかりものきょうそうでかりないといけなかった!」
「………」
そのコマを指差して説明する牡丹。成る程完全に背脂って書いてるな。書いた奴の顔が見てみたい。
「らーめんもっていったらゆるしてくれるかな」
「…どうだかな」
「みねたはくりあできたのか?」
「見てなかったから知らねぇな」
「あー、そうかー」
「しょうとはここだ!」と言ってしゃがみ込む俺のコマを指した。
「しょうと、せろくんもいるんだぞ」
「わかってる」
「せろてーぷつよいんだぞ」
「負けねぇよ」
「そうだなぁ…かんたんにはまけてくれなさそう」
「負けて欲しいのか」
「うーんたまにはかっこわるいしょうともみてみたい」
えへ、なんて笑う牡丹の額を小突いた。そんな格好悪いとこは見せられねぇな。
「わたしとしたら、うららかさんとかつきのところがたのしみなんだな」
「意外だな」
「いっかいせんとうくんれんであたってるのにかつきときたらおぼえてないみたいだからな…どうせこせいもしらないんだ」
「…だろうな」
「どんなはんのうをするかたのしみだ」
側から見てもわかるほどそわそわしている。そんなに楽しみか。
「しょうと、おうえんしてるからな! あなただけのちあがーるー」
そう言いながら、ぎゅうーと抱きついて来た。
何だこの小さいの。かわいすぎる。
「? どうした? むごんになって」
「…いや、何も」
「そうか? ならいいけど」
膝の上に座った牡丹はジャンプを見直しながら話しかけてきた。
「…わたしとしょうとがあたったらどうしよう」
「俺の方が強い事が証明できる」
「そんなかんたんにはまけないぞ! しょうとのこおらせるのはほぼきかないんだからな!」
「純粋なパワー勝負で勝てねぇだろ」
「いや、あんがいすぐにかっちゃってわたしといずくがたたかうかもよ?」
「俺はそんなに弱くない」
「しょうじき、おたがいじみにあいしょうわるいよね」
「まぁな」
「しょうとはそれだけじゃなくてしんたいのうりょくたすぎだからな…」
「そりゃあな」
「うーん」
「…色々考えてるんだろうが、お前の勝ちはねぇから諦めろ」
小さな頭を撫で、その手からジャンプを取り上げた。そろそろ寝る時間だ。
「こんどやろうよーくんれん」
「勝負にならねぇだろ」
「なーめーるーなー」
「ほら寝るぞ」
「わたしもできるー」
「わかったわかった」
少しぐずる牡丹は、まだ何か言いながらもベッドに上がった。「くんれんー」と呟く牡丹に布団を被せ、俺もその隣に入る。
「おやすみーしょうとー」
「…おやすみ」
リズム良く背中を叩きながら、部屋の電気を消した。
20150305
―――
アトガキ
すみません火曜日更新とか言いながら…
よく考えたら普通にしてれば買うの火曜日でした
最新話までには更新するので気長に待って下さると嬉しいです
来週から2週連続カラーと知って待機しています
はたしてカラー焦凍は見れるのか…
自分的には本当にお茶子ちゃんと勝己の勝負が楽しみです
たとえ瞬殺で終わっても面白いと思います
お茶子ちゃんのリアクション最高でした
ステージ?を見て天下一武闘会を思い浮かべましたね
プレゼントマイクのセリフを読んで、ヒーローにとって傷つけるとか殺しちゃうのはタブーなんだなーと改めて理解しました
拍手ありがとうございます
文章の糧にさせて頂きます