生きたり息したり

空が蒼いので、
久しぶりに呼吸をしました。
わたしの周りにあるという、
透明の見えないものを
身体に取り込んで
そうして吐き出すのです。

数百年前にこの世界にいたという、
人間という種族は
死ぬまで一生、
この呼吸をしていたのだといいます。

すん、と吸い込んだ空気は
仄かに酸っぱくて
ちくちくちくとわたしの喉を引っ掻いて
身体の中へとしまわれていきます。
酸素が血液に乗って
ちくちくちくちく
内側を突っついて
わたし酷くせき込みました。

こんな、
いがらっぽいものを
どうして
彼らは吸い込んでは吐き出していたのでしょう。


空が蒼いので
息を吸ったのです。
息を吸って
せき込んだのです。

こんな不味いもの
どうして人間は吸っていたのでしょう。

−−−−−−−−

吸ったり吐いたり
食べたり出したり
生きたり死んだり
しながら
僕は生きてくのだと
諦観にも似た
希望を得た。

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[2014.0204]




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