偶然


船への帰り道
外は雨が降っていた

その道中

たまたま
神威がおじさんと対峙するように立っていた

『神威?なにやってんの?』
神「しぐれ?なんでここに…」

私はここにいちゃいけないのか?

驚いた顔をしてるのは神威だけじゃなく
おじさんも同じだった

『なにやってんの?』
神「ちょっとね。しぐれこそなんでいるのさ」
『帰り道なんだから仕方ないでしょ』
神「ふーん」
『で、あのおっさんは誰?』
神「………」
星「しぐれちゃん…か?」
『…っ!?』
星「凱流(ガイル)の娘のしぐれか」

こいつ…

私の
いやな記憶を知ってる

知ってるやつは殺すだけ

差してた傘を持ち替え
一気に距離を詰める

    ドゴォォォン

土煙があがる

だが
私の攻撃はかわされていた

星「流石は凱流の娘なだけあるな」
神「しぐれ、今はそいつと話があるんだ。大人しくしててよ」
『…どうせ、私のことでしょ?』
神「よくわかったね」
『そんくらいわかる』
神「ほら、おいでよ」
『………』

渋々言うことを聞いてやった
すると、ふわりとマントをかけてくれた

そしておっさんが話し出す

星「…まず“裏夜王”って知ってるか?」


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