Tuesday |
翌朝 いつも通り少しはやめに登校する 普段なら誰ひとりとしていないはずなのだが 今日は一人 しかもこのクラスじゃない人間がいた 「おはよう、しぐれちゃん」 「…おはよう」 そいつは何故か私のクラスの 私の席にいた そのため鞄を置きたいのだが置くこともできず ドアの前で立ち尽くしていた 無言の睨み合いが数分続き 先に沈黙を破ったのは私のほうだった 「…あの、いい加減消えてくれませんか」 「いやだって言ったら?」 「あなたの意思がどうであろうと関係ありません」 「へぇ、意外と毒舌家なんだ。それともただ単に冷たいだけかな?」 次々と生徒が登校してくるなか 二人の周囲を避けるように歩き 遠目でこちらの様子を伺っている 「しぐれちゃんってさ、友達いないの?」 「……」 「聞いてる?」 「……」 「……」 「……」 再び沈黙が続き やがて飽きたのかわからないが HRが始まる数分前にあいつは立ち去った Tuesday 人生の分岐点だったかもしれない <<|>> |