知らない知らない


彼女はとても冷たかった

…冷たかったと言ったら語弊があるかもしれない。
何も感じなかったのだ。

あらためて人間じゃないと思った。

しかし、彼女がここにいることは確かだ。

人間だった者に興味はない。
それはもう人間ではなくなってしまっているからだ。

だが、知ってしまった。

しぐれと過ごした短い時間
やかましくもあった

それでも今までよりはずっと
充実していたんだと思う。

人外の彼女が自分の中で
これほど大きな存在になるとは思ってもみなかった。

それでは、人間と、人ならざる者を愛することはできるだろうか?

答えは否

人間は見えるが
視えない物を観察することはできない
知る事はできない。

全てはなかったことにするのが一番なのだ。

しぐれがいた、という事実を


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