ビターテイストにほんのりシュガー


割チョコ
バター
生クリーム

あとは…生チョコ以外にも作れるように薄力粉や卵も用意しようかな…。
量はどれくらい用意すればいいだろう…?

今年のバレンタインは女子で集まってチョコを作ろう
ということになって恒道館道場で集まることになった。

私自身はお菓子作りに慣れてはいるが
他の子たちはどうなんだろう…。

若干の不安はある。
無事にできることを祈ろう…。

「あら、いらっしゃい。みんなもう集まってるわ」
「遅いアル。待ちくたびれてチョコ食べてしまったヨ」
「ごめんなさい、色々材料揃えてたら遅くなっちゃって…」
「まあいいじゃない。さあ早速始めましょう。」

生チョコの作り方は至って簡単。

細かく刻んだチョコの上にバターを乗せ
温めた生クリームを入れて優しく混ぜる。
ツヤが出てきたところで型に移して冷蔵庫へ入れるだけ。
固まったら後は切ってココアパウダーを塗したら完成。

のはずなのに…。

「どうして焦げたものが出来上がるんですか…」
「あら、今回は上手にできたつもりだったんだけど」

どうみても失敗です。もう一回やりましょう?

そうして何度も何度も失敗を繰り返しながらもどうにか冷やし固めるところまでこぎつけた。
日は既に暮れかかっている。

夜は危ないから
ということで今日はこのままお泊まりの流れになった。

「みんなチョコは誰にあげるんですか?」

各自ラッピングを持参しているので誰かにはあげるのだろう。

「私は毎年お店の子達に配ってるんだけど、最近手作りが流行りじゃない?
市販でいいって言われたから見返してやろうと思って」

まあ止められますよね。
1人で作ったらきっと焦げた何かがお店の人たちの手に渡っていたのか…
そう思うとゾッとする。

「神楽ちゃんは?銀さんたちに?」
「私は自分用ネ!あいつらにあげるチョコなんてないアル!」

とは言いつつもきっとあげるのだろう。

「僕は妙ちゃんに…」
「あらまあ嬉しい。でも本来チョコは男性にあげるものよ?誰かそういう人はいないの?」

最近は友チョコもあるしなにより微笑ましい

「そういうしぐれは誰にあげるネ?沢山作ってたアル」
「お世話になった人たちにかな」
「でも1個だけ綺麗な箱あるネ!誰が本命アルか?」
「内緒。渡せるかもわからないし」

今ごろはどの辺りにいるだろう?
明日ちゃんと会えるかな?

そろそろ寝ましょうか

消灯してしばらくして寝息が聞こえてきた


翌朝

「泊めてもらってありがとうございました」
「いいのよ。無駄に広いんだからいつでも遊びにいらっしゃい」

お妙さんに笑顔で見送られ恒道館を後にした。


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