ビターテイストにほんのりシュガー


「しぐれ」

先に歩く背に声をかける。

「よかったの?もしかしなくても仕事のこととか言ってなかったんでしょ?」

自分は悪人だと言った理由は仕事に関してだろう。
春雨が江戸で裏で取引をする一部の事象にしぐれは加担してる。
交渉やセッティング等をするのが役目だからだ。

「言ってない。あんなに真っ直ぐに生きてる人に言えるような内容じゃないから。
それに、ああやって言わないと離脱できそうになかったから」

嫌な思いさせてたらごめんね

しぐれはそう言った。

「追ってこないとは限らないけどね。バカ妹だから」
「それはないよ。もしそうしようとしても止める人がいたから。」

先ほどの寂しげな雰囲気はどこへやら
自信に満ちた笑顔を向けてくる

そして差し出された小さな袋

「あとこれ、神威の分。」

中には綺麗にラッピングされた箱がひとつ。
この時期になるといつもしぐれは手作りチョコをくれる。
地球ではそういうものが流行っているらしい。

「いつもありがとう」
「それはチョコの事かしら?それとも仕事?」
「どっちもかな」

2人で一頻り笑いあってからどちらからともなく手を繋いで歩き出す

「この後はどうしようか?」
「神威といられるなら私はどこでもいいわ」


ビターミルクの割合
(手、冷たいね)
(ずっと外で待ってたから)
(ほんとにごめんね)
(じゃあぎゅってして、離さないで)



[*前] | [次#]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -