イケメン四天王 | ナノ
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自分でも腑抜けた声だと思ったし、声を出したことをひどく悔やんだ。なんでよりによってこのタイミングなんだ。もっとあったろう、他に。

部活前の廊下。興味津々の2人と、傍観者1人。興奮する2人を黙らせると、唯一俺に協力的な松川がうるさい2人を回収する。変な空気が流れるのがわかって、改めて彼女をじぃと見て。貧弱そうな白い腕には重たそうなゴミ箱が2つ。それを代わりに持ってやると、こちらにようやく視線を向けた。俺も一応男なので、その上目遣いとかいうやつに少しどきりとしてしまって。

「なぁ」

彼女の中で俺はいったいどんな位置付けなんだろうか。金を貸したバイト先の客?同じ高校の先輩?知り合いでもない?
確かに関わったのはここ1週間の数回数十分だ。でも、そんな風に言われるとなんだかこう、やりきれない気分になって。

「明日、いる?」
「…え?」

用務員さんにゴミ箱を渡すと空にしてこっちに返してくれる。ありがとうございます、と呟く彼女に、そう言った。
明日、あのコンビニにいるかって。

「いま、す…22時まで、」
「じゃあ、行くわ」
「…本当ですか」
「そんな嘘つかねぇよ」

彼女は呆然として、声も出さない。迷惑だったろうか、と思ってそれも聞いてみれば、急に慌てふためいて。

「ちが、そうじゃなくて、あの、」

嬉しくて、と言った後、1人で顔を赤くしてこちらを見る。その視線に俺も顔を赤くして2人で向かい合って照れ合った。なんなんだ、これ。

「なんなんだよ、」
「えっ、その、ごめんなさ、」
「なぁ、連絡先聞いてもいいか?」

俺の一言ひとことに照れる彼女が可笑しくて、立て続けにそう言ってみる。案の定耳まで真っ赤にした彼女は、おずおずと携帯を取り出した。

2016/02/21