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「ひィあ…ぁんんッしゃ、しゃちょお…! あっ、あっあっあっ!」
「腰が揺れているよ波岡くん。本当に君は堪え性が無いな……もっと堪えなさい」
「ィああ…ッふぅん、ンあっ! 社長ぉ…ぁふッ、あっ、あ! また…ァ、またッイキますぅううう!!」
びくびくッ!
「ふぁああ…あ、…ァんっ…」
壁に凭れ、窓の柵に一纏めに拘束された両手首をぎしぎしと鳴らし、尻に咥え込んだバイブで自慰を繰り返す青年を、社長と呼ばれた男は溜め息混じりに眺めた。
肘掛けに置いていた片手をつと伸ばして髪の毛を掻き混ぜてやると、彼は気持ち良さそうな吐息を漏らす。
「そんなに堪らないのかい?」
「んッ…んん…!」
淫らに腰をくねらせ、青年は蕩けた眼でこくこくと頷いた。
ボタンを全て外したワイシャツから覗く乳首は赤く熟れ、触って欲しそうに存在を主張する。衣服を剥かれた下肢は大胆に開脚し、男にもっと見て欲しいと言わんばかりに惜し気もなくその痴態を晒す。
「ぁんっしゃちょ、社長ぉ…ひン! ふぁあッあっあっ、あっ!」
短く甲高い声を上げ、青年は背中を反らし再び絶頂を迎える。
性器の根元ではコックリングが今なおその役目を果たしていたが、ドライオーガズムも好きというマゾヒストにはイけない苦しみをも涎を垂らす程イイらしい。
透明な液体だけが下腹部を汚す足元の部下を見て、男は薄く笑う。
執務机からある玩具を取り出すと、それを手にやおら椅子から立ち上がった。
「ふぅうん…ッしゃ、ちょお…! あっ、あっ、もぉイきた…ッいですぅ!」
男がいやらしい笑みを浮かべて近付いてくる。
漸く解放して貰える、と青年が熱い息を吐く。懇願した拍子に涙が頬を濡らした。
視姦も酷く興奮するが、やはり直に触られる快感には劣る。
男は先走りでしとどに濡れたカーペットを気にも留めず、青年の正面に片膝を着いた。後孔に深く潜るバイブの振動音が微かに聞こえる。
「さあ、これが欲しいかね?」
そう言って男が掲げたのは、濃いピンク色のオナホールだった。
卑猥な色に眼を見開く。
それと同時に、青年のペニスからは先走りが溢れた。
男はそれをしっかりと視界に捉え、無言で玩具の入り口を性器の先端に添えてやる。
「あっ…」
細かな凹凸が内側にびっしり生えた、比較的小振りなただの大人の玩具だ。
ただ肉棒を包み込むだけでなく、バイブ機能も備えているらしくスイッチらしき突起も確認出来る。
――もし、ペニスをこの中に捩込んだら……
身悶える程に気持ち良くなれるに違いない。