うたかたびと

偶然という名の迎撃

「ロア、いいところに」
「さようなら」
「こらっ、待ちなさい！」

偶然という名の迎撃
（アンジュ＝セレーナ）
（チェスター＝バークライト）

「待てと言われて待つ馬鹿が何処にいるよ」
「カイル君とかロイド君なら止まってくれたわよ？」
「ああ、そいつらは馬鹿だものな、仕方無い。でも私は馬鹿じゃねえから。…おっと、」
「今よチェスター君！」
「おらああ貫けえええええ！」
「！　っぶねーなデコ野郎！自分のデコの広さを自覚してねえのかよテメェ！」
「今は関係無ぇだろその話題はよおおお！てめっ、いいから大人しく捕まれ！」
「捕まってたまるかよハゲ。何が、貫けえええええ！だよ、捕らえるどころか殺す勢いだっただろーが」
「お前は刺しても死なねえってジューダスが言ってたからな、矢が刺さるくらい大丈夫だろ」
「あんの骨男…今度会ったら仮面についてるひらひらを引きちぎってやる」
「可愛い反撃だなおい」
「それからもっと抉る様に仮め
「はい、逮捕」
「げっ…！」
「流石アンジュ、ナイス忍び足」
「ふふっ、ありがとうチェスター君」
「…忍び足する聖職者が何処にいるよ。アサシンか忍者じゃねえのかお前」
「あら、そんな事を私に言ってもいいのかしら？」
「当たり前だろ、私はレジェンドなディセンダー様なんだから」
「ふぅん…？採取のクエストを頼もうかと思ったけど、討伐のクエストに変えちゃおうかな～？」
「マジでやめろマジでやめろ、怠さが段違いだからマジでやめろ」
「…お前、それでも本当にディセンダーかよ」
「じゃあ、大人しくしててね。クエストの手続きするから」
「…はあ、怠ぃ」
「ま、頑張れよ」
「テメェもついてこいよデコハゲ。残り少ない希望を束ごと毟りとるぞ」
「テメェ…もうちょっと可愛くおねだりとか出来ねえのかよ」
「チェスター」
「…何だよ」
「一人じゃ怠いから一緒についてきて」
「…そこは一人じゃ寂しいからだろ、普通」

　
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