全てが等しくあるように

「何やってんの」
「あ、ロアさん。今はお祈りをしていたんです」
「誰に?」
「神様です」
「…へえ」


全てが等しくあるように
(フィリア=フィリス)


「あいつ何にも言わねえだろ、祈ったって無駄じゃね?」
「ふふ、何も言わなくても、きっと聞いてくださっていますよ」
「そういうもんかねえ」
「ロアさんも、お祈りしてみては如何ですか?」
「いや、いいわ。そんなことより、お前は神に何を祈ってんの?世界平和?」
「それもありますが…まあ、色々と」
「あわよくばコングがこの世から消滅しますように、とか?」
「そっ、そんな物騒なことは考えていません!」
「マジで?聖職者ってろくなのがいねえと思ってたけど、案外そうでもねえのな」
「それはどなたの事を仰ってるんですか?」
「アンジュとかいう魔王。あいつヤバイから、私のことを人として扱わねえからマジで。まあ私ディセンダーだから人間じゃないってのは仕方ないけど、とても救世主にする扱いでもないっていうね」
「…余程、嫌な思い出があるのですね」
「そうそう、数え切れないくらいにな。死んだら化けて出る予定なんだわ、あいつの枕元」
「そんな悲しいことは言わないでください…!」
「いや、まだ死なねえから。…ま、お前みたいな聖職者もいるってことは、まだこの世界も捨てたもんじゃねえな」
「え?今何か仰いましたか?」
「いや、何も」


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