揺蕩う純真に戸惑う不純

「ソフィ」
「ロア」
「あんまり身ぃ乗り出すと落ちるよ」


揺蕩う純真に戸惑う不純
(ソフィ)


「大丈夫。落ちても下、海だから」
「そういう問題じゃ…まあいいか」
「甲板って、いいね。いつも景色が綺麗」
「景色ねえ。私には分からんよ」
「ロアは、ディセンダーだから、分からないの?」
「さあね。ま、機微とかそういうのは全く感知出来ないっつーか、理解しかねるわな」
「キビって、何?」
「お前はその内分かるだろうから、別に今知らなくてもいいんじゃね?それに、焦って理解出来る様な粗いもんじゃないだろうし」
「私も、分かるのかな」
「たぶん。知らんけど」
「ロアは、寂しい?キビが分からなくて」
「いや、別に」
「みんな分かるのに、ロアだけ分からない。それは、私は寂しいよ」
「何でお前が寂しがるかねえ」
「だってロア、一人ぼっちは寂しいよ」
「お前には私が寂しがる様に見えるのかねえ」
「うん。きっと、ロアも寂しくなるよ」
「はあ…大体私には分からねえのよ、その寂しいって感情が。一人ぼっちでも今と変わらねえよ」
「私みたいに、ロアにもきっと分かる日がくるよ。みんなが傍にいてくれることの大切さを」
「…へいへい。じゃあ、そういう事にしておきますかねえ」

 
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