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「うええ、酷い有り様……」


今朝。店内に入ったロアは一言そう言った。
床に散らばったガラス瓶の破片は昨晩の内に全て片付けた。
マーテルはニヤニヤしながら。俺はといえば、ため息をつきながら。


「ねえ、ドルチェット」

マーテルが俺に向かって、こっそりと言葉を投げた。

「このこと、どう説明したらいいのかな」

融かす、と一言。いつもの台詞を言ったかと思うと、じゅ、と何かが焦げる様な音がして、それからグリードさんが硬化しつつ彼女からの攻撃を食らったり食らわなかったりしていた。
いつの間に錬成陣の描かれた手袋をしていたのか…そういえば彼女は融解の錬金術師だったっけ、などとぼんやり考えている内に、店内の至るところから破裂音やら焦げた様な匂いやらが充満していた。
静かになったのは彼女が完全に力尽きた後…もとい、酒が回って寝付いた後。
グリードさんは何も言わずに彼女を抱えると、そのまま自室へと消えた。
後に残った俺たちは何を言う訳でもなく、ただ散らかった店内の掃除をした。

「これ、どうやって片付けるんだよ…」

ロアが太い指でつまみ上げたのは、何かが融けて、そのまま固まったかの様な不思議な物体。金属と木片とがくっついて歪な形を形成して…思わず失笑する。
本来なら違う種類のものを繋ぎ合わせてできた物体。それは合成獣である自分たちと同じ。
それには高等な技術を要すると……もしかして、彼女はとても強い力を持つ錬金術師だったのではないだろうか。



「……昨晩、何があったんだ?」



ロアの疑問に、俺はマーテルと視線を交える。
彼女は片方の口角だけをくいっとあげた。つられて俺も同じ表情をした。



「……さぁね」








( その後のこと、なんて )






( 私たちだけの秘密 )












END









……



>>青金石様


お祝いコメント&企画参加&アリスお姉様を産んでくれてありがとうございます!!←←
今回は三度目の誘拐…アリスお姉様を拝借したのは二度目で、しかもグリード相手の夢小説!
指定いただいた「シリアス,ギャグ,日常系,管理人のセンスに任せる」を若干ブレンドした様なごっちゃごちゃな内容で書くことが、できた、様な、できなかった、様な……。。
青金石様の書かれる様な、甘酸っぱく、切なく、淡く儚い…そんな二人の【絶対的な関係】がめろうに表現できたのかどうかは不安ですが、とにかく、楽しく書かせていただきました!☆
タイトルはガールズバンド「赤い公園」より。以前から歌詞や雰囲気が青金石様の表現されるアリスお姉様とグリードの関係に当て嵌まるなぁ…と感じていた曲でした。
機会があったら、是非聞いてみてくださいね!
(えっちなひょうげんをしなかっためろうをほめてくださいなんていわない)

それでは、お身体に気を付けてm(__)m




15.5.31




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