Asteroid


 「生まれ変わるときは一人でいいです。でも、星になるときは一緒がいいですね」
 真っ黒に晴れた星空の下で彼女はそう言って、いつもと何ら変わりのない笑みを浮かべ、髪を押さえた。春の初めの柔らかな夜気に溶ける白い指と鼻先は、冷めた湯の中で広がって落ちるジャスミンの花を彷彿とさせる。強かな永遠とそれを何十何百と断ち切るためだけの息継ぎのような輪廻を、一体何に例えよう。言葉にすればあまりに細く研ぎ澄まされてしまう気がして、その術を持たないとしたらどうするかと考え、俺は空が白むまでただずっと隣に座っていることにした。


魔法使いとヒカリ



[ 1/26 ][*prev] [next#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -