top > rkrn > もしもくのたま〇年生だったら

一年生だったら


ある晴れた日の穏やかな昼下がり。一年は組は全員でサッカーをやっていた。


「ボールいったぞー!」

「「「……あ。」」」

「はにゃあ。いっちゃったねぇ。」

「私とってくるよ!」


大きな放物線を描いて飛んでいったサッカーボールを追いかけて、乱太郎は走って行った。







「乱太郎もどってこないねぇ。」

「乱太郎のことだから、また落とし穴にでも落ちてるのかも。」

「そういえばあっちの方向って。」

『くのいち教室!』

全員顔を見合わせて叫ぶと同時、くのいち教室に向かって走り出した。





「あっ、あれ乱太郎じゃない?」

伊助の視線を辿ると見慣れた姿が目に飛び込む。

「ほんとだ。おーい乱太郎〜!」

団蔵が呼ぶと、その人物はすぐに振り返った。

「あ、みんなで来たの。」

「乱太郎が戻ってこないからさ、」

「こっちはくのいち教室の方だし、」

「心配したんだよ〜。」

「ごめんごめん。」

「で、ボールはみつかったのか?」

「見つけたことは見つけたんだけど…」


きり丸の質問に言い淀む乱太郎に、他の10人は首を傾げる。


「じゃあ何でボール持ってないの?」

「ボールはあそこにあるんだけど、どうしようかと思って。」

そう言って乱太郎が指さした先には、サッカーボールをみつめたまま、しゃがみこむ女の子の姿。

「私がここに来た時からずっとああやっているから声かけづらくて。」

「何やってるんだろう。」

「サッカーボールが珍しいのかな。」

「とにかくボールを返してもらわないと。」

「そうだね。」

「くのたまとはいえ向こうは一人。」

「みんなでいけば恐くない!」



「すみません、そのボール僕たちのなんだけど、返してもらえますか?」

「………ボールってこれのこと?」

は組を代表して話しかけた庄左ヱ門が頷くのを見て、少女は目の前にあったサッカーボールを差し出した。

「はい。」

じーーーーー

渡した後もボールを見つめている少女を不思議に思い、庄左ヱ門は足を止めた。


「何?」

「それどうやって使うの?」

「きみサッカー知らないの!?」


本当にサッカーを知らない様子の少女に、は組の全員が驚いて目を丸くする。


「さっかー?」

「サッカーっていうのは…」


説明しようとした庄左ヱ門だが、何か思い付いたような顔で続けるのを止めた。


「一緒にやってみる?」

「いいの?」

庄左ヱ門の提案に少なからず驚いたは組一同だが、途端目を輝かせた少女を見ると、誰も反対しようとする者はいなかった。


「もちろん。きみの名前は?」

「わたしはくのいち教室一年、苗字名前。よろしく!」


花が咲いたように笑う名前を見て、は組の警戒心はあっという間に消え去った。


『よろしく!』

((((か・かわいい!!))))





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交流に不慣れなヒロインがただただ、は組に可愛がられてるといい^^

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