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きり丸に始まり乱太郎、しんべヱと一年は組の子らの頼みを聞いて連日委員会の手伝いに行けば、仲の良いは組の中でそれが伝わらないはずもない。

おまけに名前の知識の深さや手際の良さが予想以上で、思ったよりも作業がはかどり、その日はいつもより早く終わる事ができた、などと三人が自慢気に話していれば、後の展開はもう見えたものである。ただ、忍たまとの関わりが薄い名前がそんな事を予想できなかったのは、仕方の無いことだ。


「名字せんぱい、お願いしますっ!」

「ご、ごめんね加藤君。私やっぱり…」

「どうしてもだめですか…?」

「う…」


評判を聞いた団蔵も、自身の所属する地獄の会計委員会へ助っ人を頼みに名前の元を訪れていた。名前の性格を知っていてここまで頼み込むのは、今日の委員会が徹夜覚悟だからというだけでなく、団蔵自身が名前と過ごせる時間を求めている事も一因だ。

自分の方が先に知り合ったのに、きり丸達ばかりずるいという思いは彼を必死にさせた。ついには悲しそうに目を潤ませる団蔵に、とうとう名前が折れてしまった。







「という訳で、団蔵が連れてきた助っ人の名字だ。」

「くのたま四年の名字名前です。よ、よろしくお願いします。」

「名字さん!?」


委員長の潮江の隣で居心地悪そうに立つ名前を見て驚いたのは、前回実習で名前とペアを組んだ三木ヱ門だった。二人が会うのはその実習の時以来で、久しぶりに見た名前に嫌が応でも三木ヱ門の頬が染まっていく。


「あーそうか。どっかで見た顔だと思ったら、お前三木ヱ門と一緒に実習していたくのたまか。」

「あ、はい…。」


街で手を繋いでいた二人を思い出した潮江は、名前を見つめたまま紅潮している三木ヱ門を見て何かを察した。


「三木ヱ門、三禁を忘れるなよ。決して溺れてはいかん。」

「えっ?」

「じゃあ団蔵と三木ヱ門以外は自己紹介。」

「はい!一年い組、任暁左吉です。」

「三年ろ組、神崎左門です!」

「そして俺が委員長の六年い組、潮江文次郎だ。」


全員の名前が解ったところで早速帳簿の計算を始める。今日は名前がいるから、中庭を匍匐前進したり池で寝る訓練はしないだろうと、潮江以外の会計委員達が安堵したのは本人達しか知らない。

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