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先日図書委員会の手伝いが終わったばかりだが、今日は乱太郎と約束した保健委員会の手伝いの日だ。名前の人見知りを考慮した乱太郎によって、二人は放課後待ち合わせをして一緒に医務室へと向かった。


「左から委員長の善法寺伊作せんぱい、三反田数馬せんぱい、川西左近せんぱい、鶴町伏木蔵です。」


乱太郎から保健委員の人達を紹介してもらい、自身も名乗って活動を始める。今日は治療の練習と薬を煎じる日だそうで、薬を煎じ終わった今は包帯を巻き合ったりして、治療の練習をしていた。


「やっぱり名字せんぱいに助っ人を頼んで正解でしたね、伊作せんぱい。」

「うん。もしかしたら治療の練習までいかないかも、って思ってたから助かったよ。」


乱太郎に包帯を巻かれている伊作は微笑んでいるようだが、額に巻いた包帯が何故か顔全体にまで及んで片目しか出ていない状態では、言っては悪いが不気味である。一方、名前に包帯の巻き方を教わっている伏木蔵は彼女の手慣れた様子を見て、率直な疑問をぶつけた。


「名字せんぱいは、何でそんなに治療が上手なんですか?薬草にも詳しかったし。」


保健委員会でもないのに、明らかに授業で習う以上の事もやってのける名前が不思議だったのだろう、他の保健委員も手を止めて二人の会話に聴き入っていた。


「私、組み手とか戦闘が苦手なんだ。逃げる事だけ上手くなっちゃって。でもそれだと誰かと組んだ時に相手に迷惑をかけちゃうから、何か他に役に立つ事はないかと思って、医療の勉強を始めたの。怪我の手当てができれば、逃げてるだけよりは役に立つでしょう?」


名前の答えに納得したり感心したり、反応はそれぞれだったが、初対面であまり喋らなかった名前が打ち明けたことで、ほんの少し、彼女と彼らとの距離が縮まった気がした。


「でも名字さん、本当に手際がいいね。保健委員会に欲しいくらい…うわあっ!?」


不運か不注意か、名前の手元を覗くために身体を乗り出した伊作は、自身に巻かれていた包帯の裾に躓き、あまつさえそれに身体を絡めとられ転倒してしまった。名前は伊作から見て数馬を挟んだ向こう側に座っている。そこに向かって身を乗り出したのだから、当然数馬も被害を被るわけで。


「ちょ、伊作先輩!うわあああっ!?」

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