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試練とは得てして突然やってくるものである。





なんて、格言風に言ってみたところで事態が変わるわけではない。私は今忍術学園入学四年めにして、何度目かの試練に直面していた。


「はああぁぁ…どうしよう。」


書類を抱えて一人途方に暮れているくのたまは私くらいなものだろう。溜め息の原因は手元の書類にあり、それが人生で何度目かの試練なのだ。試練の内容は、まあ簡単に行ってしまえば書類を届けるだけなのだが、問題はその届け先だ。


「まさかの忍たまとか!」


他のくのたまならどうってことないだろうが、人見知り(男性は特に)な私にとっては大問題。今までの学園生活でも極力忍たまとは関わらないようにしてきたのに。


「しかも、よりによってあの委員会とか…ありえないでしょ。」


しかし、いつまでもこうしてはいられない。今回は友人たちも皆忙しくて、代われる人はいないのだ。


「しょうがない。さっさと行こう。あんまり忍たまに会いませんように。」


忍術学園くのたまにしては情けない呟きを残して、私はその場を後にした。

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