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今回の実習の内容は、忍たま四年生とくのたま上級生とで二人一組のペアになり、街へ行きある噂について調べてくる、というものだ。二人一組でペアになった生徒は、忍者(たまごだが)であるということを悟られないためにそれぞれで設定を決め、それに合わせた変装をする。もちろん仕種や喋り方なども、その役柄に相応しい演技が必要になってくる。設定を決めたペアは早々に支度をして、街へと繰り出し始めた。
「お、お待たせしました…。」
「いや、そんなに待ってな…」
振り返った三木ヱ門は一瞬息詰まらせる。視界に入ったのは薄桃色に紅を挿したような可愛らしい私服に身を包んだ名前の姿だった。
「じ、じゃあ行くぞ!」
顔を中心に全身が熱くなってくるのを感じ、恐らく赤く染まっているであろう自分の顔を見せないように、慌てて踵を返す三木ヱ門。名前もついてくるのを確認し、そのまま歩き出した。
街に着いて早速情報収集をしようと、特に賑やかな道を歩く。沢山の店が軒を連ねて多くの人が出入りするこの通りは噂好きな町人達の話も飛び交い、まさに今回の実習にはうってつけだ。しかし小柄な名前には良い面ばかりだけではなく、人混みに紛れ逸れやすいという不安もある。
二人ペアでの行動が原則なので、そうなってしまっては三木ヱ門の成績にまで影響を及ぼしてしまうだろう。それだけは避けなければ、と意気込んだ名前は人混みにのまれそうになりながらも必死で三木ヱ門の背中を追いかけるが、身長の違いから歩幅にどうしても差が出てしまい、なかなか彼の隣まで追いつけない。このままでは逸れてしまう、と感じた名前は意を決して声を張り上げた。
「まって…兄様っ!」