文 | ナノ

助ける為に手を伸ばして


 昨日はなかなか面白いものが見れたなあ。顔真っ赤の緑間くんとかなかなか見れないだろうな。なんて昨日の帰り道の出来事を思い出しながら、わたしは今日も黒子くん観察に励んでいる。

 ちなみに今はお昼休み。今日の黒子くんは紫原くんと一緒みたい。紫原くんももちろんキセキの世代であり、影でトトロとか呼ばれてるレベルで背が高い。けど性格はまるで子供みたいな人だなあというのがわたしの印象。お菓子が好きみたい。ていうか主食?

 「ねーねーくろちん。くろちんのポッキー食べていー?」
 「紫原くん、先ほど一袋あげたばかりでしょう、あまりお菓子ばかり食べ過ぎるのはよくないですよ。」
 「は?くろちんに言われたくねーし。バニラシェイクばっかり飲んでるじゃん。」
 「バニラシェイクは、神だからいいんです。」
 「意味わかんねーし。」

 なにやら二人は言い争いしてる模様。てかほんとどっちもどっちでしょ。でもこの二人は見てて和むわあ。

 「ああ、紫原くんがバニラシェイクの話してきたから甘いものが飲みたくなってきました。ちょっと買ってきます。」
 「んー黒ちん、購買行くなら飴買ってきてよー。」
 「まったく君という人は…まあいいでしょう。ちょっと行ってきます。」

 どうやら黒子くんは購買に行くらしく席をたった。
 そして数分後、黒子くんが戻ってきた。

 「紫原くんちゃんと買ってきまし…っ!?」
 「…っ!黒ちん」

 ぼすん。戻ってきた黒子くんが何かに躓いてこけかけた所を間一髪で紫原くんが手を引き寄せて抱きとめた。

 「ああ、いちごみるくが!ちょっとこぼれてしまいました。紫原くんありがとうございます。かかりませんでした?大丈夫でしたか?」
 「ん。だいじょーぶ。それより気をつけてよねー」

 紫原くんは、そんなことをいいながら抱きとめた体勢のままで顎で黒子くんの頭をぐりぐりしていた。なんとまあほのぼのした絵図だろうか。普通こんな男子中学生×2とかむさ苦しいんだろうけど、この二人は全然むさ苦しくないわー

 「てか黒ちん甘い匂いするー。」
 「?ああ、こぼしてしまったいちごみるくですかね?」
 「んー食べたーい。ね?黒ちん食べてもいい?」
 「ん?(いちごみるくの事ですかね?)いいですよ」

 黒子くんは自分のいちごみるくを差し出したけど、なんと紫原くんは、かぷり、と黒子くんの頬っぺたにかぶりついた!…のをわたしは見てしまった!

 「なにするんですか、僕は食べ物じゃないですよ!」
 「えーマシュマロみたいで美味しそーだったから」

 ぺろりと舌舐めずりする紫原くんはさっきまでのほのぼの妖精っぷりはどこにいったのかそれはもうとっってもエロかった。なんなのこの子…!



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