部屋 U






風呂を上がって部屋に戻ると、誰の部屋か疑いたくなるほど寛いだ広海が目に入る。こ、こいつよくもまあ今だけくつろげるな···俺のベッドだぞ····



「広海、風呂どうすんの?」
「今日はいい。それより、あいつが帰ってくる前に早く寝よう」



そう言って広海は仰向けになり無造作に丸まっていた布団を伸ばして肩までかぶる。
そして俺の方をチラッと見たかと思うと、「おやすみ」と言って寝息を立て始めた。



「おう、おやすみ。···········じゃねーだろ!!俺のベッドだろうが!!」
「うっるさいな。客人にはベッドを貸すのが普通でしょ?床で寝て」
「なんで一日目から床で寝なきゃダメなんだよやだわ!!」
「はあ、じゃあ一緒に寝る?」
「床で寝ます」



壁に取り付けられたタンスを開けて中から予備の布団を取り出す。

後ろから舌打ちが聞こえた気がするが生憎俺の耳は都合のいい事しか聞こえない仕様で出来ているのでスルーする。

予備の布団は学校の備品のようで俺の持ってきた布団より寝心地が良さそうだ。


「あぁー···ふっかふか」
「俺と寝ればいーじゃん」


ふてくされた声が上から聞こえるが、先程も言ったように俺の耳は可愛い女の子の猫なで声しか聞こえない仕様だ。


「うるせー!早く寝ろ!」
「はいはい」
「おやすみ」







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