3
「は···っ」
「ま、っは、ぅん、ん···ッ!」
(いやこれは、ほんとに、しぬ)
本気で命の危機を感じてきたので、会長の胸を思いっきり叩く。会長は思いっきり顔を歪めて、仕方ないなと言った感じに唇を離した。
「げほ、ッは···こ、殺す気か···!!」
「お前が煽るからだろ」
「煽ってませんーッ!!勘違い乙!!」
だいたい会長は慣れてるからいいかもしれないけど、俺は童貞なのでチュッチュしながら鼻で息するとかそういう高度なことは出来ない。まあ処女ではないけど。いや処女ってなんだ。
「ていうか今日は無理、ヤらない!」
「なんで」
「明日体育あるから」
「休めよ」
「無理。休んだらなんか広海機嫌悪くなるし、高見はニヤニヤしながら煽ってくるし、山田先生はすげぇ気使ってくるし!!」
俺はそう言って、またキスしようとしてくる会長の口を手で塞いだ。
会長はあからさまに顔を顰めたが、しょうがない。俺は本当にしたくないのだ。
広海は俺が会長の話をするといつも機嫌悪くなるし、高見はニヤニヤしてみてくるし。広海は機嫌悪いと俺のことめっちゃ殴るし!
とにかく、『昨日ヤりました』って雰囲気が出たまま学校に登校するのだけは嫌なのだ。
「せっかくの休みなのにか」
「休みなのは生徒会の仕事であって、学校は普通にあるんですー」
「俺は土日出勤だぞ···」
「お疲れ様です会長」
うう···と項垂れる会長の頭をぽんぽんと撫でてやる。すると会長は顰めっ面のまま黙って俺の上からどいた。
「···おら、徹夜でゲームすんぞ」
「おうよ」
会長に手を伸ばしてベッドから立ち上がり、リビングのソファに隣合って座る。会長はまだ機嫌が悪いのか頬を膨らましている。
「もうすぐ夏休みだから、ずっと一緒じゃん。」
「····ヤりまくり?」
「うん、ヤりまくり」
「···24時間?」
「·····いや、それは····キツい」
流石に24時間は会長も体力が持たないだろう。というかその前に俺が死ぬ。ただでさえ一回二回でも死にかけてるのに、24時間は······無理。
ゲームの用意をしている会長の顔をちらっと見ると、心做しか期限が良くなってるように見える。意外とちょろいなと思いつつ、ヤりまくりになるらしい夏休みを思う。
「·····死にたくないし、逃げるかぁ」
高見の部屋と広海の部屋にお邪魔させてもらおう。うん。
「何が?」
「いやこっちの話」
「どっちの話だよ。···まあいいや、イカ2でいいよな?」
「上出来!」
prev next
top
main