神は無慈悲だ。

僕に世界を与えてまた引き離すと言うのか
なんて、残酷なのだろう。
どうしてこんな事が出来るのか。
あの人がいない世界は世界では無い。
僕はまた死ぬ。
あの人がいないなら僕は生きてる必要は無い。

傘に手を掛けた。

先を喉笛に向ける。

力を入れた瞬間に、月が見えた。

月が優しく僕を照らす。

頬を水滴が濡らす。


この世界にはまだ月があった。
僕は独りじゃ無い。


生きて、生きて、生き抜いて
またあの人に会える方法を見つけ出すと誓った。
生きている限りあの人に会える。
僕は絶対に死なない。


団長、僕を忘れないでくれてるといいな。



月に誓う
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