彼女はイヴ・ベルガモット。

稀にパーティーに現れる、純血貴族ベルガモットの一人娘。

彼女はレイブンクローの監督生。

闇をうつしたような豊かなブルネット、光を灯さない漆黒の瞳。
誰もがその整った容姿に惹きつけられ魅了される。

僕もまたその一人だ。

闇のような髪と瞳、雪のように白い肌、薔薇のように赤い唇。

彼女の全てが彼女の純粋無垢さを表している。

彼女の生い立ち以外。

彼女は母親の火遊びで生まれた子供。

父親はいない、何処かの貴族の愛人だった母親が産み落としたベルガモット家の恥晒し。


こんなパーティーに来れば嫌でもそれを知ることになる。


それでも純血の彼女はパーティーに来なくてはならない。

望んでなくても望まれなくても。


彼女と話したのはもうずっと昔だ、僕がまだホグワーツに入学する前。

パーティーなんかじゃない、何処かで出会った。


あの漆黒を見間違えるなんてことはない。


彼女と僕は



熱くて熱くて溶けだした
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