俺、感化される。


「ふふ、今日もいい天気ですね」

シュリさんはテーブルの真ん中にパラソルを刺して日焼けしないよう俺を日陰に隠す。

「そ、っすね…」

そよそよと心地よい風がふき、シュリさんの栗毛色の髪が風に靡く。美しい。まるで女神だ。

「フィンクスさん、もしかして甘いのお嫌いでしたか?」
「あ?や、いや、そんなことは、ね、ない」
「よかった、あんまり食べてないみたいだったから」

ホッとしたように笑うシュリさんについつい見とれてしまう。あなたで胸がいっぱいですなんて言えねぇ。


「シュリさんは、甘いもの好きなんですか?」
「えぇ。スイーツは基本好きです、甘くてふわふわしててキラキラしてて、まるでお伽話に迷い込んだ気分になっちゃいます」

甘くてふわふわしててキラキラしてて…
まるでシュリさんじゃねーか。
シュリさんならお伽話の中にいても違和感がねぇしな。

きっと綺麗な綺麗な姫さんなんだろうな。



シュリさんが煌びやかなドレスを着て妖精や花や小鳥と話してるを想像したら、似合いすぎて思わず笑ってしまった。



太陽の陽がさんさんと降る中、そよ風に煽られながらのんびりと過ごすのも悪くないかもしれない。


prev / next

back
×