期待通りの展開


**シャルナークside

あの日以来フィンクスがおかしい。
まず部屋から出て来ない。
生理的な欲求、トイレや食事はしてるみたいだけどそれ以外部屋に籠もってる。

団長がグシャグシャのプリンの文句を言いに行っても、ノブナガ達が飲みに誘っても、フェイタンが盗みに誘っても「おー」とか「あー」しか言わない。

さてそろそろ頃合いだ、俺は軽くノックをした後フィンクスの部屋のドアを開けた。

「フィンクス、入るよ」
「おー」

フィンクスは死体のようにベットに横たわってる、目はどこか遠くを見つめて。

「ねぇ最近どうしたの?皆心配してるよ?」
「おー」
「具合悪いの?」
「あー」
「話聞いてる?」
「おー」
「フィンクスのカスー」
「あー」
「フィンカスー」
「おー」

駄目だこりゃ、完全に自分の世界に入ってる。

「ハンカチ返しに行かなくていいの?」
「何で俺がわざわざあの女に!」

思った通り、少しその話題に触れればフィンクスはガバッと起き上がって俺を見た。

「やっぱり女関係かー」
「ばっ!そんなんじゃねぇよ!…アレだ!アレ、具合悪いんだ!」
「どんな風に?」
「…動悸がとまんねぇ、それと体中が熱い」

症状を訴えるフィンクスの額をペタリと触るが熱くも何ともない。

「熱ないよ、それにフィンクスが風邪引くわけ無いじゃん」
「夏風邪は強ぇってよく言うだろきっと夏風邪だ」
「フィンクス今まだ春だよ?」
「……」

黙り込むフィンクスに思わず口角が上がる、さてさてあの日何があったかゆっくりと聞いて行きますか。


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