なんとなく楽しそう。


**シャルナークside 

何気ない会話だった、雨降ってきたねーとかフィンクス遅いねーとか、そんな日常会話。
広間には俺とマチとシズクしかいないし、俺の仕事も終わったし、て言うか最近少し退屈だなーとか思ってると乱暴に仮宿の扉が開かれた。
視線を向けると人一人殺ってきましたみたいな表情をしたフィンクスが立っていた。
雨で全身ずぶ濡れで髪は顔に張り付いてそこから覗く瞳はいつになく血走っている。
何故だか呼吸も荒いし…子供が見たら鬼!と泣きそうな姿だ。

「お帰りフィン、何かあったの?て言うか箱グシャグシャ!団長怒るよ?」

話しかけてもうんともすんとも言わないで俺に箱を押し付けてフィンクスは自分の部屋に入っていった。

「何アレ?」
「さぁ?」

訝しげにフィンクスの歩いて行った方向を見るマチに俺は肩を竦めて軽く笑った。

グシャグシャの箱には溜め息が出たけれど箱を押し付けられた時にチラリと見えた淡い色のハンカチが何だか俺の好奇心を擽った。

何だか暫く退屈しなさそう。


prev / next

back