嘘から始まるキミとの距離 | ナノ


▽ 気持ちは変わらない



「ハリー、見て。雪」


二人が付き合ってもう半年以上になる。緑だった葉っぱも紅く色付き、枯れ、今はもう雪が降っている。



「サラ、そんな薄着じゃ風邪引いちゃうよ」


ハリーはそっと自分のマフラーをサラの首に巻いた。ありがとうとサラはふわりと微笑む。


スリザリンの自分がグリフィンドールのマフラーをしてるのは旗から見れば変だがここにはあまり人が来ない。だからハリーと堂々と会える。



「もうすぐ冬休みね」

「サラは帰省するの?」

「一応ね、お父様が寂しがるもの。ハリーは?」

「僕はホグワーツに残るよ」


サラはハリーからダーズリー家の話を聞いていたので戻らないことには賛成だった。


「会えないのは寂しいけど、手紙、たくさん書くわ」

「うん、僕も書くよ」


暫く二人で遊んだあと、冷え過ぎたらいけないとお互い寮に戻ることになった。


ハリーへのクリスマスプレゼントどうしようかな、クディッチが好きだからクディッチ関係?でもそれじゃ色気がないかな。


サラがいろいろ考えながら寮への階段を降りていると後ろからドラコに話しかけられた。


「おいライラック、最近談話室にいないな」

サラはまずいと首に巻かれてたマフラーを外そうとしたがドラコが一歩早くマフラーをグッと掴んだ。



「まだポッターと続いてたのか?もうとっくにバラしたかと思っていたが。もうやめていいぞ」


ドラコはサラが自分の言い付けを守って罰ゲームとしてハリーと付き合っているのだと思い少し哀れんだ目でサラをみた。



「あのね、マルフォイ。私…」

「体も冷え切ってるじゃないか、風邪を引くぞ。言えないなら僕から言ってやるから。君ははやく体を温めてこい」



やめてと言おうとしたがドラコに押し込まれてしまった。どうせ言うなら、自分の口で伝えたい。


サラはどうして罰ゲームなんか受けたのだろうと後悔しながら自分の部屋へ向かった。


この時マルフォイに本気でハリーが好きだと伝えていれば、あんなことにはならなかったなかもしれない。

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